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連覇を目指す藤井聡太銀河、今期本戦ブロック通過決定! 佐々木勇気七段を降して決勝トーナメント進出

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 10月14日。銀河戦Hブロック最終戦▲藤井聡太銀河(当時二冠、現三冠)-△佐々木勇気七段戦が放映されました(収録は5月25日)。棋譜は公式ページで公開されています。

 藤井銀河先手で、戦型は相掛かり。2筋で飛車先の歩を交換したあと、遠く7筋の横歩を取る現代最新型に進みました。

 序盤の折衝でリードしたのは藤井銀河。着々とリードを広げていきます。

 佐々木七段はじっと辛抱し、逆転の機会をうかがいます。対して藤井銀河も攻めあぐね、形勢はいつしか混沌としてきました。

 あやしい流れの中、今度は藤井銀河が崩れぬよう、押し戻します。佐々木七段の勝負手にも冷静に対応し、藤井銀河が再び、はっきり優位に立ちました。

 一手30秒未満という早指しの終盤戦。藤井銀河は誤らず勝勢を築いていきます。

 攻防ともに見込みのなくなった佐々木七段。

「10秒・・・。20秒・・・。1、2、3、4、5,6、7」

 そこまで秒を読まれたところで、次の手を指さずに投了を告げました。

 手数は105手と一般的な長さですが、両者の強さが随所に表れた、密度の濃い好局でした。

 藤井銀河は最終勝ち残り者として、またここまで4連勝の佐々木七段は最多連勝者として、Hブロックを通過。決勝トーナメント(ベスト16)へと進みました。

 両者の通算対戦成績は藤井2勝、佐々木1勝となりました。

 藤井銀河と佐々木七段はB級1組最終戦で対戦します。またその前に、両者ともに銀河戦で勝ち進めば、決勝で対戦する可能性もあります。

 本局の結果を合わせると、藤井銀河の10月14日時点での成績は、33勝6敗(勝率0.846)となりました。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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