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「『毒親育ち』と『親コンプレックス』とは何か?」を性格心理学に詳しいカウンセラーがご説明いたします。

竹内成彦心理カウンセラー(公認心理師)

こんにちは。

精神医学と性格心理学に詳しい

心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

今日は、「毒親育ちと親コンプレックス」というテーマでお話したいと思います。

では、早速。

世の中には、酷い親に育てられて、「自分の親は毒親だった!」と、思ったり言ったりする人もいれば、酷い親に育てられて、「自分の親は毒親だった!」と、思ったり言ったりしない人もいます。

毒親だったと思う人、思わない人、両者は、どこがどう違うのでしょうか?
答えは、親コンプレックスを持っているか否か? です。

この場合のコンプレックスとは、劣等感情という意味ではなく、ひとつのこだわりと捉えていただければ、ご理解しやすいかと思います。

「自分の親は毒親だった」と思ったり言ったりする人は、ご自身が親コンプレックスの持ち主であることが多いです。親コンプレックスを持ってらっしゃる方は、親に期待し、その親が、自分の期待に応えないと、親を恨み続けたりしがちです。

いっぽう、毒親に育てられたにも関わらず、「自分の親は毒親だった」等と思ったり言ったりしない人は、ご自身が親コンプレックスではないため、特別 親に期待することもなく、親と自分の人生を切り離して考えられていることが多いです。

私は、日々カウンセリングをしている心理臨床家ですが、自分の生きづらさを、「毒親に育てられたからだ」と思ったり言ったりしてらっしゃる方は、親コンプレックス、特に母親コンプレックスを持っていることが、ほとんどです。

自分の親を毒親だと決めつけ、心の中で罵倒するのは、本人の勝手ですが、そのようなことを続けていても、自分の生きづらさが解消されることはありません。

では、毒親に育てられた方は、どうしたら、生きづらさから解放されるのでしょうか? 方法はいくつもあるのですが、まずは「自分は親コンプレックスを持っている」ということを知り、それを認めることです。それだけでうんと楽になります。

コンプレックスを持ってない人は、ひとりもいません。皆さん、何かしら、コンプレックスを持っています。ですから、親コンプレックスを持ってらっしゃる人は、「自分の場合は、たまたま親コンプレックスを持って生まれてきてしまった」ということを知ることが大切になる…というわけです。

今、私は、「生まれてきてしまった」という表現を使ったのですが、どのようなコンプレックスを持っているか? というのは、生まれつき決まっています。このあたりは、大変に興味深いので、ここでちょっとご紹介したいと思います。

おじいさんタイプは、世界の事象コンプレックスを持っています。
おばあさんタイプは、人間コンプレックスを持っています。
お父さんタイプは、配偶者コンプレックスを持っています。
お母さんタイプは、子どもコンプレックスを持っています。
長男タイプは、お母さんコンプレックスを持っています。
長女タイプは、お父さんコンプレックスを持っています。
二男タイプは、お母さんコンプレックスを持っています。
二女タイプは、お父さんコンプレックスを持っています。
末っ子タイプは、お母さんコンプレックスを持っています。

如何でしょう?
あなたは、どのようなコンプレックスを持っていますか?

先ほども言いましたが、ここで言うコンプレックスとは、劣等感情という意味ではありません。スッキリしない=こだわりがある、という意味です。

さらに、「自分が誰に対してコンプレックスを持っているか?」に関しては、普段の生活では、自分で気付くことが困難です。また、どのようなコンプレックスを持っているかに関しては、いいも悪いもありません。

世の中に1番多く生息しているのは、お母さんタイプです。よって、世の中に1番多く生息しているのは、子どもコンプレックスを持っている人…ということになります。

あなたも、「うちの娘は誰にもやらん!」と言う言葉を見聞きしたことがあるかと思いますが、このセリフは、子どもコンプレックスを持つ、お母さんタイプの父親がよく吐く言葉です。

親コンプレックスを持ってらっしゃる方は、親離れをするのには困難を要しますが、子ども離れをするのには困難を要しません。よって、親コンプレックスを持ってらっしゃる人=子どもコンプレックスを持ってらっしゃらない人が、「うちの娘は誰にもやらん!」等と、思ったり言ったりすることは、ほとんどないということです。

というわけで、今日は、「毒親育ちと親コンプレックス」というお話をさせていただきました。

次回は、「毒親に育てられた人は、どのようにして生きづらさを解消していけばいいのか?」というお話をしていきたいと思います。

今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。

      この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

心理カウンセラー(公認心理師)

1960年、愛知県名古屋市で生まれ育つ。1997年06月、地元愛知でプロのカウンセラーとして独立開業を果たす。カウンセリングルーム「心の相談室with」名古屋 の室長。臨床歴25年、臨床数15,000件を超える。講演・研修回数は800回、聴講者は10万人を超える。【上手に「自分の気持ち」を出す方法】など、電子書籍を含め、20数冊の本を出版している。カウンセリング講座などを開催し、カウンセラーを育てることにも精力を尽くしている。

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