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今夜ゴング! 日本ライト級タイトルマッチ

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
撮影:筆者

 10戦全勝8KOのレコードで、宇津木秀(28)が日本ライト級王座に就いたのは2022年2月8日のことだった。1階級上であるスーパーライト級の元日本王者、鈴木雅弘を9回TKOで下した。

https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20220223-00283227

 その宇津木が今夜、初防衛戦を迎える。挑戦者は同級8位の富岡樹。鈴木と同じ角海老宝石ジム所属の25歳で、日本ライト級タイトル挑戦は、2020年2月13日以来となる。

撮影:筆者
撮影:筆者

 宇津木は語る。

 「日本王座を獲る前の僕は、戦いながら気を抜いてしまうところがありました。8回戦、10回戦とラウンドが増えると、集中力が切れてしまったんですね。まずは、そこの克服が必要でした。

 また、ずっと、体重の乗せ方も課題だったんですよ。今は地面をしっかり掴む感覚で、足元が安定した感があります。このところ、股関節も腰も根が生えたように、体を浮かすことなく、どっしりとした姿勢からパンチが打てています。この間の鈴木戦で、重心の乗せ方に気付けたことは、大きな収穫ですね。

撮影:筆者
撮影:筆者

 富岡はアウトボクサーでリードが上手く、ストレートの強い選手ですが、接近戦を挑んでくるかもしれません。こちらは、"もらわずに倒す"ことをテーマに戦います。フルに10ラウンド戦う準備をしてきましたが、チャンスがあればもちろん倒しますよ。

 日本チャンピオンになってから、とにかくスキルアップすべくトレーニングを積んできました。今回の試合までに80ラウンド弱のスパーリングをこなしました。調子はとてもいいです。内容のある勝ち方で、必ず防衛してみせます」

 宇津木を抱えるワタナベジム、渡辺均会長は言う。

 「日本タイトルを獲った試合の出来は、非常に良かったです。『宇津木はこんなに強いのか』と驚くほどの試合でした。防衛戦では更に進化した姿を見せてほしいですね」

 第63代日本ライト級王者の宇津木秀は、どんな戦いを披露するか。今夜、ゴングが鳴る。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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