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プロセス至上主義から脱却し、「執念力」をアップさせよう!

横山信弘経営コラムニスト
何としても、目標を達成させる……(写真:アフロ)

「執念」「執着心」はマイナスか?

何かに「執着する」「執念を燃やす」という表現は、良い面もあれば、悪い面もありそうです。目的を達成するまでは、頑固として諦めない。その気持ちが強い場合に「執着心」が強いということになるのでしょう。たとえば「恋愛」におけるシーン、人間関係における「怒り」「イライラ」を覚えたシーンで執着心が強すぎるとマイナス効果が働きそうです。

仏教においては、事物に固執し、心をとらわれることを意味します。修行の障害となる心理現象として良い意味ととらえられることがありません。しかし、ビジネスにおいてはいかがでしょうか。

「もっと執念を燃やせ」「なぜすぐに諦める? 執着心はあるのか?」と上司が部下に苦言を呈すシチュエーションは、どの組織にもあるものです。

ビジネスにおける「執念」とは?

それでは「執念」「執着心」とは、そもそもどういうことなのでしょうか? 執念とは「諦めずに、ある物事に固執する。結果が出るまで粘り強く実践する」ということと私は考えます。しかし、この表現では客観的な評価ができません。そこで、私は次のように考えてみました。

結果が出るまで、組織や自分自身で定めた「計画」や「ルール」以上の行動をすること、こういうことではないかと。

私は「プロセス至上主義」という言葉をよく使います。結果を出すためには「プロセス」が重要だ、という人がいます。確かにそのとおりです。しかし「決められたプロセスさえしていればいい」という人もまた増えています。

結果が出ないのは自分に問題があるのではなく「プロセス」に問題があるのだ。組織が決めた「計画」や「ルール」こそ問われるべきで、それに従って行動した自分に責任があるとは思えない……。このような発言する人もまたいるのです。

しかし、今回のテーマである「執念」があれば、そのような申し開きは通用しないと言えます。

「プロセス至上主義」の弊害

結果を出すための「計画」があり「プロセス」がある。しかし、そのとおりに実践して確実に結果が出るということはあり得ません。もしそうであるならマネジメントの基本である「PDCAサイクル」などという言葉は必要なくなります。現場における「改善活動」を軽視することにも繋がるのです。

人間はコンピュータではないし、ロボットでもありません。結果を出すためのシナリオがあり、そのシナリオを脳にプログラミングされ、そのとおりに動かされている機械ではないのです。定められた計画どおりに実行しても結果が出ないのであれば、結果が出るまで創意工夫しようとする意思・マインドが必要です。

その意思が、外から見ていると「執念」という言葉で表現されるのではないでしょうか。自分で自在に執念を燃やす力――「執念力」が今の時代は必要だ。私はそのように考えています。

経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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