背番号13は投手か野手か? 韓国の盗塁王がこの番号に変えた理由とは
日本では18番がエースナンバー、27番はキャッチャー、47番は左腕投手といった背番号が持つイメージがある。
一方、韓国は背番号とポジションなどの関連性はあまりない。特に日本との違いを感じるのが10番台だ。日本では投手が多くを占めるのに対し、韓国では投手、野手ともにつけている
今年、韓国を代表するスピードスターが背番号を変えた。「58」から「13」への変更だ。
サムスンライオンズの外野手、パク・ヘミンは通算248盗塁を記録するプロ9年目の29歳。育成選手としてプロ入りし、3年目の2014年に俊足を売りに頭角を現すと、15年には全144試合に出場。60盗塁をマークし初のタイトルを獲得した。以後18年まで4年続けて盗塁王の座を譲らなかった。
その間、3割前後の打率を残し、18年のアジア大会では代表入りも果たしたパク・ヘミン。しかし昨季は全試合に出場するも打率は2割3分9厘と低迷し、盗塁数も1軍定着以来、自己最低の24個に終わった。結果、タイトルは39盗塁のパク・チャンホ(KIA)が手にし、パク・ヘミンは盗塁王の称号を明け渡した。
「前から背番号を変えたいとは思っていたけど、去年の成績が良くなかったので決めたんです」
穏やかにそう話すパク・ヘミン。彼はなぜ13番を選んだのか。
「10番台から選びたかったんです。でもこだわりはなくて、13番に対するイメージも持っていませんでした。思い浮かぶのはメジャーリーガーのマチャド(パドレス)ぐらいで、誰かに憧れてというのもありません」
日本の野手では千葉ロッテの平沢大河だけが背負う13番。韓国ではトゥサンベアーズの三塁手でプレミア12韓国代表のホ・ギョンミン(29)、今年KIAタイガースからロッテジャイアンツにFA移籍した二塁手のアン・チホン(29)が13番を選んだ。野手がつけることに韓国では違和感はない。
「去年の成績が良くなかった」と繰り返すパク・ヘミン。彼が変化を求めているのは背番号だけではなかった。
「手首を使うのが早いと指摘されて、下半身を意識した打撃フォームの修正に取り組んでいます」
キム・ヨンダル打撃コーチとのマンツーマンレッスンは夜間練習まで続く。今年30歳を迎えるチームの主力が指導者からつきっきりでアドバイスを受けるというのは、なかなか見られない光景だ。
「去年ダメだったことで今年はむしろ気楽です。キム・ヨンダルコーチがイメージする形通りに直しています」
4年続けて下位に低迷しているサムスン。パク・ヘミンは今年、チームのキャプテンに任命された。
「監督が代わってキャンプでは作戦面を重視しています。(オ)スンファン兄さんもチームに戻って来たし、チームが上へ行けるように見守って欲しいです」とパク・ヘミンは主将としての言葉を語った。
また新しい背番号については「自分では見えないので似合っているのかどうかわからないけど、周りの反応は『似合う』『似合わない』が半々です」と話した。
誰もが主将パク・ヘミンの背中に13番が似合うと感じた時、サムスンに上昇の兆しが訪れるのかもしれない。