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通算700試合以上に出場しながら、ポストシーズン出場ゼロの現役選手は、大谷翔平の他にもいるのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
大谷翔平(左)とジェイマー・キャンデラリオ Aug7,2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 大谷翔平(ロサンゼルス・ドジャース)は、2018年のメジャーデビュー以来、ロサンゼルス・エンジェルスの選手として、レギュラーシーズンの716試合に出場してきた。一方、ポストシーズン出場は、皆無だ。エンジェルスは、2014年を最後にポストシーズンから遠ざかっている。

 2023年にメジャーリーグでプレーした選手のうち、大谷の他に、ポストシーズン未経験でレギュラーシーズンの通算出場700試合以上は、見落としがなければ3人、888試合のニック・アーメド、746試合のジェイマー・キャンデラリオ(シンシナティ・レッズ)、723試合のクリス・オーウィングスしかいない。

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 アーメドは、2014年6月のメジャーデビューから、アリゾナ・ダイヤモンドバックスで遊撃を守ってきて、2018~19年はゴールドグラブに選ばれた。ダイヤモンドバックスは、ここ10年間に2度、2017年と2023年にポストシーズンへ進んでいる。だが、どちらのポストシーズンも、そこにアーメドはいなかった。2017年は、6月下旬に死球で右手を骨折したのに加え、復帰目前だった8月下旬にもAAAでぶつけられ――直前の打席はホームラン――今度は右手首を骨折。その後はプレーできなかった。2023年は、9月初旬に解雇された。

 キャンデラリオの場合、2016~17年のシカゴ・カブスは地区連覇ながら、2016年のメジャーリーグ出場は7月初旬の5試合しかなく、2017年は夏のトレードでデトロイト・タイガースへ移った。今夏にキャンデラリオが戻ったカブスは、83勝を挙げたものの、ポストシーズン進出を逃した。84勝のマイアミ・マーリンズとダイヤモンドバックスは、ワイルドカードをゲットした。

 ダイヤモンドバックスでアーメドとチームメイトだったオーウィングスも、健康であれば、2017年のポストシーズンに出場していたかもしれない。こちらは、7月下旬にバントを試みた際に、右手の中指を骨折し、シーズンを終えた。オーウィングスがシーズン二桁本塁打を記録したのは、97試合で12本の2007年だけだ。

 ちなみに、この3人と違い、大谷は、チームのシーズン勝ち越しすら、メジャーリーグでは経験していない。

 大谷のポストシーズン出場なしについては、9月にこちらでも書いた。

「大谷翔平がそうなる「ポストシーズン未経験で2度目のMVP」は過去に1人だけ」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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