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この選手があと1本打てば、チームメイト3人がポストシーズン6本塁打は史上初

宇根夏樹ベースボール・ライター
カイル・シュワーバー(フィラデルフィア・フィリーズ)Nov 3, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ワールドシリーズ第5戦の1回裏に、カイル・シュワーバー(フィラデルフィア・フィリーズ)は、同点に追いつく先頭打者ホームランを打った。

 第3戦に続く、このポストシーズン5本目のホームランだ。けれども、5本塁打は、今年のポストシーズンの最多ではない。どちらもシュワーバーのチームメイト、ブライス・ハーパーリース・ホスキンスは、いずれも6本塁打を記録している。シュワーバーの5本塁打は、ハリソン・ベイダー(ニューヨーク・ヤンキース)と並ぶ3位タイだ。ちなみに、ヒューストン・アストロズでは、4本塁打のジェレミー・ペーニャが最も多い。

 ベースボール・リファレンスによると、同じポストシーズンに同じチームの3人がいずれも5本塁打以上は、2017年にアストロズでプレーした、ホゼ・アルトゥーベジョージ・スプリンガーカルロス・コレイアに続く2組目だという。3人のうち、アルトゥーベは現在もアストロズにいて、今年のワールドシリーズにも出場している。スプリンガーとコレイアは、FAとなってアストロズを退団。それぞれ、現在はトロント・ブルージェイズとミネソタ・ツインズにいる。

 5年前のポストシーズンに打ったホームランは、アルトゥーベが7本、スプリンガーが6本、コレイアは5本だった。今年のポストシーズンで、シュワーバーがホームランをあと1本打つと、チームメイトの3人が各6本塁打以上は、史上初となる。

 もっとも、記録を打ち立てても、優勝できるとは限らない。フィリーズは第5戦に敗れ、アストロズに王手をかけられた。フィリーズが優勝するには、ここから2連勝が必要だ。

 なお、1人の選手による、1度のポストシーズンの最多本塁打は、2年前にランディ・アロザレイナ(タンパベイ・レイズ)が記録した10本だ。2位には8本の4人が並び、5年前のアルトゥーベは、他4人とともに6位タイに位置する。ハーパーとホスキンスは、トップ10入りまであと1本に迫っている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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