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人格が激しく変わる認知症【前頭側頭型認知症の特徴3選】介護福祉士がイラストでわかりやすく解説

みなさん、こんにちは!介護のお悩みサポーター『夢 はるか』です。わたしは介護福祉士として介護現場で15年以上働いてきました。介護現場の仕事と同時に、子どもの頃から好きだった漫画を描くことで、認知症や介護のことを広く知っていただければと思っています。

今日は、以前に紹介した4大認知症から、『人格の変化』が特徴的な『前頭側頭型認知症』について説明します。

リンク:【4大認知症とは】介護福祉士がイラストでわかりやすく紹介

↓この記事の解説動画をご覧いただけます。

前頭側頭型認知症は、大脳の前頭葉や前部側頭葉の萎縮によって起こる認知症です。

前頭側頭型認知症は人格変化を伴い、様々な社会的不適切行動を引き起こすことがあります。

前頭側頭型認知症の原因となる前頭側頭葉変性症は、現時点では治療法が確立していないため指定難病となっており、難病法や障害者総合支援法による福祉的支援を受けることができます。

他の認知症とは異なる前頭側頭型認知症の特徴を、イラストを交えて順にご紹介します。

【特徴1】発症年齢が比較的若い

前頭側頭型認知症は、50〜60代の発症者が多いのが特徴です。

認知症といえば、高齢者の病気と思われがちですが、働き盛りの元気な方にも起こることから、自分自身が病気であるという自覚を持ちにくい傾向があります。

まだ若いことから、本人も家族も認知症であることを受け入れ難いのですが、社会的なトラブルも徐々に目立つようになっていくことから、家族の介護負担は大きくなりがちです。

【特徴2】人格変化と行動異常

感情が鈍くなる、遠慮しなくなるなど、以前とは別人のように人格が変化することがあります。

また、同じ道を行ったり来たりしたり、同じものを食べ続けたりする、常同的行動が見られます。

赤信号でも平気で渡ったり、店頭で未払いのものを食べたりする行為から、万引きにエスカレートすることもあります。

若年者の場合、本人には病識がないことも多く、社会的に孤立していくこともあります。

【特徴3】発症からの平均寿命は6〜11年

病気は徐々に進行し、症状発症後の生存期間は6〜11年といわれています。

個人個人でそれぞれに違いはありますが、症状の進行は人格変化や行動異常から始まり、次に無気力、無関心な状態へと変化していくことが多いようです。

まとめ

前頭側頭型認知症は、一般的な認知症の症状である『もの忘れ』よりも、『人格変化』や『行動異常』が、50代という若い時期から現れることから、本人も周囲の人も認知症だとは気付きにくいのが特徴です。

反社会的な行動も目立つ事から、特に家族の負担は大きくなりやすいので、身内で抱え込まず、まずはかかりつけ医などの身近な医療機関や、地域包括支援センターなどへ、気軽に相談してみましょう。

介護福祉士として通所介護(老人デイサービスセンター)や訪問介護(ホームヘルパー)の現場で働いてきました。研究会での発表や、学術誌へのケースレポートの投稿なども積極的に行なっています。また、子どもの頃から好きだった漫画やイラストを描くことで、認知症の知識や介護のコツをわかりやすく伝えることを心がけています。

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