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主な新興国/米国経済ニュース(10日)

増谷栄一The US-Euro Economic File代表

フェイスブック、時価発行総額が21.5兆円に達する―年初来40%超高

世界最大のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)である米フェイスブック<FB>の株価が週末の8日、先週末に時価発行総額が2000億ドル(約21.2兆円)の大台を突破したあとも上昇を持続した。米経済専門テレビ局フォックス・ビジネス(電子版)が伝えた。

先週末、同社の株価の時価発行総額は終値で2009億ドル(約21.3兆円)を記録し、8日も前日比0.82%高の77.89ドルで引け、時価発行総額は2025億ドル(約21.5兆円)にまで値を上げた。同社の株価は年初来で40%以上も上昇している。

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米レンタカー大手ハーツ、フリソーラ会長兼CEOが辞任

米2位のレンタカー大手ハーツ・グローバル・ホールディングス<HTZ>は8日、マーク・フリソーラ会長兼CEO(最高経営責任者)が辞任し、後任として、レンタル事業部門の社長兼CEOで、6月にハーツに移籍したばかりのブライアン・マクドナルド氏(48)を暫定CEOに指名したことを明らかにした。

会社側はフリソーラ氏の辞任の理由について、「一身上の都合」としているが、同社の最近の業績低迷や2011-2013年の過去の決算の誤びゅうに対する決算修正問題をめぐり、大株主の著名な投資家カール・アイカーン氏から批判の声が噴出しており、引責辞任の様相が濃いようだ。フリソーラ氏は2006年にCEOに就任している。今後、ハーツの役員会は、本格的にCEO候補を模索する計画だ。

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アマゾンのスマホ「ファイア」の販売価格を期間限定で99セントに値下げ

米オンライン小売り大手アマゾン<AMZN>は8日、米IT大手アップル<AAPL>が次世代のスマートフォン「アイフォン6」の正式発表を前日に控える中で、6月に発表したばかりの3次元(3D)ディスプレイ・モニター搭載の新型スマートフォン「ファイア・フォン」の販売価格を200ドル(約2万1000円)から一気に99セント(約100円)へ引き下げた。米経済専門オンラインメディア、CNNマネーが伝えた。

これはファイア・フォンに対する消費者の反応が鈍いため、200ドルの販売価格ではアップルなど同業大手のスマホと競争できないとの判断があったと見られる。英紙ガーディアンのハイテク担当のチャールズ・アーサー記者は、米オンライン広告サービス大手チティカのデータなどに基づいて、「米国スマホ市場でアマゾンは7月25日のファイア・フォン発売以降、8月中旬までにわずか3万5000台しか売れなかった」と指摘。これに対し、アップルはアイフォン5Sとアイフォン5Cの発売開始の最初の1週間だけで、計900万台も販売している。

アマゾンでは今回の99セントでの販売は期間限定とする考えだが、いつまでこの値段を維持するかは明らかにしていない。また、この価格はアマゾンのワイヤレス通信サービスを請け負っている米通信大手AT&T<T>と2年契約を結ぶことが条件となっている。

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EU、対ロ制裁第4弾を採択―実施は数日中に

EU(欧州連合)のヘルマン・ファンロンパイ大統領は8日、声明文を発表し、EU理事会の下部組織である常駐代表者(コレパー)会議が同日開かれた会合で、ウクライナ危機をめぐる第4弾の対ロシア制裁措置を正式に決定したことを明らかにした。

ただ、声明文では新制裁措置の実施時期については、即日実施とせず、3日にウクライナ政府軍と親ロシア派の反政府武装組織の停戦合意の順守や和平協議の進捗の状況を見た上で、今後数日以内に実施するかどうか最終決定を行うとしており、事実上、制裁措置の実施を延期した格好だ。

第4弾の制裁措置について、声明文は、「EUが7月31日に決定した(金融制裁を柱とした第3弾の)対ロ制裁措置をベースに一段と内容が強化されたものになっている」とし、「停戦合意の状況次第で、EUは今回合意した対ロ追加制裁措置を見直す用意がある」としている。

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インドネシア運輸省、国内航空各社にバイオ・ジェット燃料の使用を要請

インドネシア運輸省は国内航空各社に対し、将来のジェット燃料の枯渇に備えるため、ジェット燃料(航空タービン燃料)にバイオ燃料を混合したバイオ・ジェット燃料を積極的に使用するよう要請した。アンタラ通信(電子版)が8日に伝えた。

これは同省のサントソエディ・ウィボウォ官房長が明らかにしたもので、同氏によると、政府は現在、環境にやさしいバイオ燃料の技術を開発中で、2016年までに技術開発の完了目指しているという。

一方、インドネシア航空大手ガルーダ・インドネシア航空では、政府が化石燃料と同じ価格でバイオ・ジェット燃料を販売するよう期待しているという。現在、同社では96機をジェット燃料で運航しているが、燃料消費量は2016年には現在の18億リットルから20億リットルに拡大する見通しで、このため、燃費効率の高い新型旅客機の導入でジェット燃料の使用量の削減を行っている。

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ベトナムのブン・ロー・ペトロリアム、石油精製所の建設に着手

ベトナムの石油会社ブン・ロー・ペトロリアム(VRP)は9日、同国中南部のフー・イエン省ブン・ローで、31億8000万ドル(約3400億円)を投じて建設する石油精製所の鍬入れ式を行った。ベトナムの声・ハノイ放送局(電子版)などが伝えた。

製油所はホア・タン工業団地内に建設され、敷地面積は538ヘクタールとなっている。完成後の石油精製能力は年間800万トンのポリプロピレンやベンゼン、ガソリン、ジェット燃料、ディーゼル油などの石油製品を生産する。雇用創出効果は1300人以上となる見通し。(了)

The US-Euro Economic File代表

英字紙ジャパン・タイムズや日経新聞、米経済通信社ブリッジニュース、米ダウ・ジョーンズ、AFX通信社、トムソン・ファイナンシャル(現在のトムソン・ロイター)など日米のメディアで経済報道に従事。NYやワシントン、ロンドンに駐在し、日米欧の経済ニュースをカバー。毎日新聞の週刊誌「エコノミスト」に23年3月まで15年間執筆、現在は金融情報サイト「ウエルスアドバイザー」(旧モーニングスター)で執筆中。著書は「昭和小史・北炭夕張炭鉱の悲劇」(彩流社)や「アメリカ社会を動かすマネー:9つの論考」(三和書籍)など。

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