本州で6月まで雪景色が楽しめる「雪の大谷」とは?
雪景色が楽しめる場所の多くは、山の頂上などの低気温域です。今回は、北海道以外で雪景色が楽しめる雪の大谷をご紹介します。
山脈ができるまで
富山に3000m級の山々がそびえ立つ立山連峰(北アルプス)。日本は北アメリカプレート、ユーラシアプレート、太平洋プレート、フィリピン海プレートの上に乗っていて、これらの山々は北アメリカプレートとユーラシアプレートが衝突してできた山脈です。現在も北アメリカプレートは西に1.0cm/年、ユーラシアプレートは東に0.cm/年 移動しています。
エベレストがあるヒマラヤ山脈も、プレートが衝突してできた山脈で、隆起し始めたのは5000万年前と言われています。立山連峰の隆起は約250万年前と言われているので、あと4750万年後にはヒマラヤ山脈のように5000m級の山脈になっているかもしれません。
雪の大谷とは?
「立山黒部アルペンルート」とは、富山県立山町の「立山駅」と長野県大町市の「扇沢駅」を結ぶ、北アルプスを横断する山岳観光ルートです。冬の間は閉鎖され、4月中旬(2024年は4月15日)に開通されます。その時期の見どころが室堂付近にある「雪の大谷」です。
立山連峰は、世界でも有数の豪雪地帯。特に大谷付近は吹きだまりとなり、豊富な積雪が見られます。その積雪を除雪して作られる雪の壁が、「雪の大谷」です。2024年は4月15日から6月25日にかけて「雪の大谷フェスティバル」が開催され、室堂から、雪の壁の高さ最高地点まで歩いて行くことができます(徒歩約15分)。
雪の壁の高さは、その年の積雪量によって変わります。2022年は、18mでした!写真の看板を見ていただくと分かるように、4月16日にもかかわらず気温は-1度。観光へ出かける際は防寒服と、雪道でも滑りにくい靴は必須です。室堂周辺はライチョウの生息地でもあります。運が良ければ「ライチョウ」に出会える可能性もあります。
「雪の大谷」でのもう一つの楽しみポイント
ライチョウは、5~6月が繁殖期のため遭遇率が最も高いと言われています。室堂周辺はライチョウの生息地でもあるため、運が良ければ「ライチョウ」に出会えるかもしれません。
雪の大谷へのアクセス方法
室堂へは、富山県側からのアクセスがおすすめです。車か富山地方鉄道で立山駅へ行き、ケーブルカー約7分で美女平駅へ行き、美女平から立山高原バスに乗ると約50分ほどで標高2,450mの室堂に到着です。ケーブルカーの乗車人数に限りがあるため、事前にWEBチケットを購入しておくことをおすすめします。
北陸新幹線の開通で、関東圏から行きやすくなった北陸。「雪の大谷」を訪れることは、ただの観光を超えた価値があります。この自然現象は、私たちに地球の繊細なバランスと、それを守るための行動の重要性を教えてくれます。少しでも「雪の大谷フェスティバル」に興味が湧いた方は、ぜひ訪れてみて下さい。