パドレスの先発投手はダルビッシュ以外に誰が残っているのか。FAとなった5人の先発登板は計96試合
今シーズン、サンディエゴ・パドレスでは、13人の投手が先発マウンドに上がった。
そのうちの2人は、夏のトレードでパドレスを去った。ライアン・ウェザーズとジャクソン・ウルフは、それぞれ、マイアミ・マーリンズとピッツバーグ・パイレーツへ移籍した。
あとの11人のうち、ほぼ半数の5人は、今オフにFAとなった。
ブレイク・スネルは、5年5000万ドルの契約が満了。夏にパイレーツから加入したリッチ・ヒルは、1年800万ドルの契約だった。セス・ルーゴは、年俸750万ドルの選手オプションを破棄。ニック・マルティネスの契約には、2年3200万ドルの球団オプションと2年1600万ドルの選手オプションがついていて、パドレスもマルティネスもそれを破棄した。マイケル・ワカの場合は、パドレスが2年3200万ドルの球団オプションを破棄し、それによって発生した3年1850万ドルの選手オプションをワカが破棄した。
5人の先発登板は、合計96試合。シーズン162試合の60%近くを占める。スネル、ルーゴ、ワカの3人に限っても、合計82試合となる。しかも、この3人の防御率は、2.25、3.57、3.22だった。
また、トレードで放出したウェザーズとウルフの先発登板を含めると、合計107試合。全体の66.0%だ。
現時点でパドレスにいる投手のうち、ダルビッシュ有とジョー・マスグローブの2人は、健康であれば、来シーズンのローテーションに並ぶ。マスグローブは、8月初旬に肩の痛みを訴え、その後は復帰することなくシーズンを終えたが、今のところ、来シーズンの開幕には間に合う予定だ。2021~22年は、両シーズンとも180イニング以上を投げ、3.00前後の防御率を記録している。
だが、ローテーションの残り3枠あるいは4枠は不透明だ。
ペドロ・アビーラ、マット・ウォルドロン、リース・ケニーアの3人は、来シーズンの年齢(6月30日時点)が27歳。トップ・プロスペクトと目されていたことはなく、今シーズン、マイナーリーグで好投したとも言い難い。ケニーアは、8月中旬にトミー・ジョン手術を受けた。エイドリアン・モアホンは、25歳と若く、数年前までは各メディアのプロスペクト・ランキングに名を連ねていたが、そこから、台頭するには至っていない。ここ2シーズンの起用からすると、パドレスは、先発投手ではなくリリーバーとして、モアホンを見ているようにも思える。4人とも、メジャーリーグの先発登板は、通算10試合に満たない。
ポストシーズン進出をめざすには、少なくとも2人の先発投手を加える必要があるだろう。
Mライブ・メディア・グループのエバン・ウッドベリーによると、パドレスは、ライアン・カーペンターとマイナーリーグ契約を交わしたという。ただ、候補の人数が増えただけで、大きな期待はできそうにない。カーペンターがメジャーリーグで投げたのは、2018~19年の63.0イニングしかなく、防御率は8.57だ。2020年は台湾、2021~22年は韓国でプレーし、目を惹くほどの成績は残していない。昨シーズンの序盤に肘を痛めて解雇された後は、どのリーグのどの球団にも在籍していなかった。