【東京都中央区】「日本橋」の文字を書いたのは、歴史上の有名人だった~中央区トリビア、その9
日本橋の上にかかる高速道路。写真の「日本橋」の文字を見たことのある人は多いでしょう。
これは、橋の表柱にある銘板をコピーしたものです。その銘板はこちらです。
この銘板を書いたのは、なんと江戸幕府最後の将軍である徳川慶喜(第15代将軍)です。日本橋は何度も架け替えられていますが、明治44年(1911年)に現在の二重アーチの日本橋が架けられた時、当時の東京市長だった尾崎行雄が日本橋に江戸時代の面影を残すため慶喜に依頼をしたそうです。
尾崎行雄が東京市長を退任したのが1912年、徳川慶喜が没したのが1913年ですから、絶妙なタイミングで実現したプロジェクトです。
じっと眺めると、バランスの取れた、実に美しい文字だと思います。獅子像が手にしているのは、東京都の紋章です。
ちなみに、日本橋にある「日本国道路元票」の文字を書いたのは、当時の首相の佐藤栄作です。こちらも、力強く美しい文字ですね。
現在、橋の上を通る高速道路を地下化する工事が進行中の日本橋地区。完成は2040年の予定とまだ先ですが、青空の元の日本橋が見られる日が楽しみです。
【日本橋】
東京都中央区日本橋室町1-1