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1試合を残し、鈴木誠也は1位と1本塁打差、村上宗隆は1打点差。過去に「1差」でタイトルを逃したのは…

宇根夏樹ベースボール・ライター
鈴木誠也 August 2, 2021(写真:ロイター/アフロ)

 セ・リーグのレギュラーシーズンは、まだ終わっていない。東京ヤクルト・スワローズと広島東洋カープが、11月1日に最後の試合を行う。すでに順位は決まっているものの、打撃タイトルは確定していない。

 現時点の打率トップ2は、.319の鈴木誠也(広島東洋)と.314の牧秀悟(横浜DeNAベイスターズ)だ。鈴木は、最終戦で5打数0安打でも打率.316なので、牧を下回ることはない。ただ、打率.313で4位に位置する坂倉将吾(広島東洋)は、例えば、5打数5安打なら、打率.321となる。ごくわずかながら、坂倉が首位打者を獲得する可能性も、ゼロではない。

 本塁打王と打点王は、最後までわからない。本塁打のトップ2には、39本の岡本和真(読売ジャイアンツ)と村上宗隆(東京ヤクルト)が並び、鈴木は1本差で3位に位置する。また、打点のトップ2は、113打点の岡本と112打点の村上だ(鈴木は88打点で4位)。このままであれば、岡本は昨シーズンに続く二冠王となるが、どちらも手にすることができず、無冠に終わることもあり得る。

 2リーグ制となった1950年以降、1本差で本塁打王を逃した選手と、1打点差で打点王を逃した選手は、以下のとおりだ。前者は延べ29人、後者は延べ10人を数える。

筆者作成
筆者作成

 もちろん、今シーズンの3人、鈴木と村上、岡本のうち、誰かがこのリストに加わるとは限らない。その差が2本塁打以上あるいは2打点以上になることもあるし、同数の本塁打もしくは打点でタイトルを分け合うかもしれない。

 これまでに、複数の選手がトップに並んだ事例については、こちらで書いた。

「タイトルを分け合った打者たち。本塁打王は10組、打点王は7組、首位打者も2組」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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