2020年の「最も平均的な打者」は…。パ・リーグには打率も出塁率も長打率も平均と1ポイント差の打者
今シーズン、日本プロ野球の平均は、打率が.250、出塁率が.325、長打率は.384だった。パ・リーグの平均スラッシュライン(打率/出塁率/長打率)は.246/.326/.377、セ・リーグは.254/.324/.391だ。
規定打席(120試合×3.1=372打席)以上の選手に限ると、53人の平均は.276/.358/.442、パ・リーグの26人は.271/.361/.428、セ・リーグの27人は.281/.356/.456となる。
パ・リーグには、規定打席以上の平均スラッシュラインに極めて近い選手がいる。埼玉西武ライオンズの栗山巧がそうだ。.272/.362/.427のいずれも、平均と1ポイント差。打率と出塁率は1ポイント高く、長打率は1ポイント低いだけだった。栗山を除く25人には、3つのスタッツのうち2つが平均と5ポイント差以内の選手すらいない。例えば、中村晃(福岡ソフトバンクホークス)の打率は平均と同じ.271――正確には平均よりわずかに上――だが、出塁率.341と長打率.367は平均マイナス20ポイントとマイナス61ポイント。セ・リーグの27人も同様だ。
ちなみに、栗山はスラッシュラインこそほぼ平均ながら、二塁打22本と67打点はどちらもリーグ7位タイに位置する。また、併殺打10本も、他2人と並び、リーグで7番目に多かった。
なお、規定打席以上の選手のうち、それぞれのスタッツのベストとワーストは、パ・リーグの場合、打率が.350の吉田正尚(オリックス・バファローズ)と.205の山川穂高(埼玉西武)、出塁率が.465の近藤健介(北海道日本ハムファイターズ)と.285の松田宣浩(福岡ソフトバンク)、長打率は.623の柳田悠岐(福岡ソフトバンク)と.321の安田尚憲(千葉ロッテマリーンズ)。セ・リーグは、打率が.328の佐野恵太(横浜DeNAベイスターズ)と.243のジャスティン・ボーア(阪神)、出塁率が.427の村上宗隆(東京ヤクルトスワローズ)と.298の京田陽太(中日ドラゴンズ)、長打率は.585の村上と.329のアルシデス・エスコバー(東京ヤクルト)だ。
柳田の.342/.449/.623は、リーグ2位と3位と1位。セ・リーグで.317/.424/.557を記録した青木宣親(東京ヤクルト)も、リーグ1位はないものの、すべてトップ3にランクインした。3位と2位と3位だ。一方、京田の.247/.298/.348は、いずれもリーグ・ワースト3位以内。下から数えて3位、1位、2位に位置した。