【名古屋市】期間限定メニューは"今"の最高傑作!老舗町中華餃子苑の「冷やし中華坦々風」を堪能
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老舗町中華店の新作夏メニュー
「ちょうどゴールデンウィーク前後くらいからかな、懐かしい人がいっぱい来てくれて。『あれ、ウチの店ってこんなに沢山お客さんがいてくれたんだ』って(笑)」そう話すのは、町中華のお店「餃子苑」の店主、村瀬さん。
![中川区で営む餃子苑さんは創業50年の老舗でメディアへの露出も多い。名古屋で町中華を味わうならまず外せないお店](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/hayajunro/article/00497126/internal_1686655885548.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
3年以上続いた大変なコロナ禍を泳ぎきった村瀬さんが繰り出す夏メニューは「冷やし中華」と「冷やし中華坦々風」の2つ。
「仲良くしているラーメン店の達磨(だるま)食堂さんが想像を超える麺を作ってくれてね」(村瀬さん)ツルシコモッチ麺と表現されるその麺は、伊勢うどんにも使われている餅粉を7割くらい使ったもので、もともと定番メニューの味噌ラーメン用に発注していた麺をアレンジしたもの。冷やし中華のイメージを伝えたら最高の麺を作ってくれたそう。
![ゆでる前に麺をもみ込む。この麺でコレをやると不均等なウエーブができて、モチモチ感が増すと同時にタレが絡みやすくなるのだそう](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/hayajunro/article/00497126/internal_1686656026903.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
今回は、新作夏メニューの実食レポートだけでなく、厨房や、店主とここで働くスタッフの人柄にまで深入りしました。
二代目は33年目
四川料理のお店で修行していた村瀬さんが餃子苑に戻ってきたのは24歳の頃。その頃の餃子苑さんは、塩味を生かした広東風の味付けがメインのお店だったそうです。同じ中川区内にもう1店舗運営しており、さらに熱田区にもう1店舗を出店するからと呼び戻されました。
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「でも、新店がオープンする1週間くらい前かな、『やっぱり、ちょっと若すぎるからしばらくココにいて』と言われて」その後も新店に参加することは無く本店で過ごします。
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やがて紆余曲折を経て、代替わりを機に「多店舗展開を目指すより1店舗に集中したい」と現在の営業スタイルに。そして、味付けも従来の広東風を残しつつ、四川風味が加わった独自のメニュー構成になったそうです。
料理職人の仕事
今回、筆者は「冷やし中華坦々風」をオーダーしました。
![仕事に集中する職人の姿は絵になりますね](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/hayajunro/article/00497126/internal_1686656377217.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
まずは、トッピングの野菜から。
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![シャキシャキ野菜がスタンバイ](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/hayajunro/article/00497126/internal_1686656451802.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
野菜の準備が終わったら、次は麺の調理へ。
![先程下ごしらえした麺を、麺ゆで釜に優しく投入](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/hayajunro/article/00497126/internal_1686656540309.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
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![流水で麺のぬめりを取り除いた後、冷水を貼ったボールに入れてさらに麺を締めてコシを持たせます。ツルシコモッチ麺、早く味わってみたい](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/hayajunro/article/00497126/internal_1686656632738.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
麺を冷水で締めている間にタレの調合へ。オリジナルの冷やし中華のタレにゴマソースを注ぎ、よくかき混ぜてタレにゴマの風味をなじませます。
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最後にラー油を器のふちから回し入れてタレが完成しました。
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餃子苑さんのラー油は五香(ウーシャン)ラー油。中国では、沢山を表現する言葉として「五」を使います。このラー油も、五種類の素材をブレンドしているという意味ではなく、素材が沢山つまったものという意味で五香と名付けたのだそう。
担々麺と麻婆豆腐に使用するもので、三種類の唐辛子と花椒(フォアジャオ)や八角など十数種類の素材をブレンドした豊かな香りと癖になる辛みが特徴です。
![香りが苦手な人のために胡麻風味のラー油も用意されています](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/hayajunro/article/00497126/internal_1686656780377.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
タレを作り終えたら麺の仕上げへ。冷水でしっかり締めた麺を、先ほど調合したタレと合わせ、用意しておいたシャキシャキ野菜とトマト、ひき肉をトッピング。最後にナッツとゴマをちらして料理の完成です。
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「はい、お待たせー」と運んでいただいたのがこちら。
![結構なボリュームです。常連さんの胃袋のキャパシティはだいたい把握していて、人によってはもっと盛ることもあるのだとか](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/hayajunro/article/00497126/internal_1686656960688.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
![シャキシャキ野菜とひき肉、トマトのトッピングは暑い季節にも食欲をそそります](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/hayajunro/article/00497126/internal_1686656934323.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
「本来、花椒をかけて完成なんだけど、苦手な人もいるからあえて別に用意してるの。花椒、大丈夫だったらかけて食べてね」(村瀬さん)「はい、いただきます」 まずはそのままで。
![もっちりとした食感の麺と、生野菜のシャキシャキした歯ごたえの相性が抜群でした](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/hayajunro/article/00497126/internal_1686657018028.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
ゴマの風味とラー油の香りは筆者好み!美味しい。ここで、花椒をかけてみました。
![花椒は日本の山椒と比べて痺れが強い。若く摘んだ「青花椒」は香りがいい。熟して赤くなると痺れが強くなるのだそう](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/hayajunro/article/00497126/internal_1686657056988.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
「あ、この痺れ具合かなりイイ。花椒ぜんぜん大丈夫。これ癖になりそう」とたっぷりふりかけていただきました。もっちりした麺の食感も最高でしたね。トッピングの具材の種類が結構多いのですが、組み合わせが絶妙で麺と相まって見事なまとまりを感じました。
お客さんを惹きつける店主の遊び心
ちなみに、今回オーダーした「冷やし中華坦々風」はこんな感じでメニュー化されていたのですが、この手書きメニューになるのは村瀬さんがその時々で思いつき、今の技術と最高の素材で作ったスペシャルなもの。
定番メニューで安定の味を提供し、今、本当に作りたいものをこうした形で提供しているのだそうです。
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他に、こんなメニューも。
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「『人生餃子』さんていう名古屋めしの超絶人気店があるんだけど、そこの水谷さんて方から『やりゃあ』って言われてね。でも、最初は『やだよぉ』って思ったの。だってそのお店が苦労して生み出したオリジナルメニューをウチで出すのってねえ・・・。でも、『ウチで独自にアレンジしたら面白いかも』って思い直して、ウチの赤天(赤い天津飯)のかに玉のっけて、達磨食堂さんの麺使って3店舗のコラボメニューにして楽しんじゃった(笑)」(村瀬さん)
こうした手書きメニューが各テーブルに置かれているのですが、そのメニューの内容は一緒じゃないのだとか。
「テーブルによってメニューが違うから、お客さんが頼んだ料理を運んでると、それを見た別のテーブルのお客さんが、『あれ、あんなメニューあったっけ?』って表情してるの。それを見るのがすごく楽しくて(笑)そのことに気づいたお客さんが、『じゃあ、来るたびにテーブルローテーションする』って言うんだけど、『ゴメン、時々シャッフルするんだわ』って(爆笑)
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「あとね、こんな裏メニューもあるからね」(村瀬さん)
「あ、えっ、今どこから出てきました?」
![定番メニューが入っているファイルの裏側を覗くと、そこに裏メニューが。これぞ本当の裏メニュー「あ、でも全部入っているわけじゃないからね」って・・・(笑)](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/hayajunro/article/00497126/internal_1686657628325.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
「あーッ、ちょっと待って。今、何か見えましたよ」
![雑誌で隠れていました。「これね、近々メニュー化するやつ」「なんでこんなところに貼ってるんですか(笑)」「ん?見つけてねーて感じかな(笑)」](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/hayajunro/article/00497126/internal_1686657721080.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
「とにかく人を楽しませることが大好き」と話す村瀬さん。楽しいと思ったことは無条件でやってしまうそうです。
お店を支えるのは店主の人柄に惹かれて集まる人たち
「最近、アルバイトの子が3人くらい抜けちゃったから、今いる子達にフルで入ってもらうことになっちゃって。少ない人数で一生懸命お店を回してる感じだね。」春の卒業シーズンに、それまでアルバイトに来てくれていた学生さんが就職を機にお店を飛び立っていったそうです。「我が子が飛び立っていく感じだね。そうそう、このエプロン『お礼に』ってもらったの、やっぱり女の子は気が利くね。それまで年季が入ったエプロン使ってたから見かねてくれたのかな(笑)」と嬉しそうに話す村瀬さん。きっとその子は楽しくアルバイトできたのでしょうね。
こうしてスタッフが減ってお店を回すのが大変だった時があったそうですが、そんな時は近隣で出店するお店のオーナー達が入れ替わり立ち代わりお店に入って手伝ってくれたのだそうです。「もともと仲が良かったんだけど、そこまでしてくれる人はなかなかいないからね。感謝してます」
「今、むちゃくちゃ忙しいから、店のスタッフにはかなり負担がかかっているはず。でも頑張ってくれてる。抜けた子の代わりとしてあと3人くらい早急にスタッフを増やしたい」と村瀬さん。
お店のスタッフとして雇うのは基本知った人だそうで、今いるスタッフも小さい頃から食べに来てくれてた友人の息子さんや高校で同級生だった人なのだとか。お客さんやそのご子息なんてパターンも有りなんでしょうね。
今回おじゃました「餃子苑」さん、とにかく楽しくて居心地が良かったです。それも、自分の周りにいる人を楽しませたいという店主の人柄を反映しているからなのでしょう。
「料理だけでなく、心地良い気分も味わえるんだな」と感じたお店でした。
店舗情報
店名:餃子苑
住所:名古屋市中川区宮脇町2丁目71-2
TEL:052-361-5108
営業時間:火曜日~土曜日11:30~14:00(Loは閉店30分前)17:30~22:00(Loは閉店30分前)日曜11:30~14:00(Loは閉店30分前)17:30~21:00(Loは閉店30分前)
定休日:毎週月曜日 第2第4木曜日
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