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序盤の椿事!? 中日と浅村のホームランはどちらも9本。東北楽天のホームランは50%が浅村

宇根夏樹ベースボール・ライター
浅村栄斗は昨シーズンの33本塁打が自己最多(写真:アフロ)

 東北楽天ゴールデンイーグルスの浅村栄斗が、ホームランを打ちまくっている。7月4日から8日にかけて4試合連続。シーズン本塁打は、開幕から17試合で9本に達した。これは、12球団最少の中日ドラゴンズと同じ本数だ。また、東北楽天のホームランは18本なので、浅村は1人でその半数を占める。

 これらは、シーズン序盤の椿事で終わる可能性も高い。現時点の浅村と中日と同じように、昨シーズンのメジャーリーグでも、3人がそれぞれ10本のホームランを打っているのに対し、デトロイト・タイガースはチーム全体で7本という時期(詳細は「3人が二桁の本塁打を打っているのに、あのチームは全体でたった7本」で書いた)があったが、結局、タイガースは149本塁打を記録した。

 けれども、過去には、1選手のホームランの本数が1チームの本数を上回ったこともある。例えば、今から9年前、中村剛也(埼玉西武ライオンズ)は48本のホームランを打った。この年、千葉ロッテマリーンズの選手が打ったホームランは46本しかなく、中村より2本少なかった。

 一方、1チーム100試合以上のシーズンにおいて、チームのホームランの半数以上を1選手が占めた例は、あるのかどうか不明だ。1950年以降の本塁打王について調べたが、見当たらなかった。2011年の中村は、埼玉西武の103本中48本なので46.6%。2013年のウラディミール・バレンティン(現・福岡ソフトバンクホークス)は、東京ヤクルトスワローズの134本中60本、44.8%だ。ただし、本塁打王でなくても、チーム本塁打の半数以上はあり得る。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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