エンゼルス打線の得点力不足を解消するには大谷を3番打者に据えるべき
4連敗中、過去12試合は3勝9敗と低迷に喘いでいたロサンゼルス・エンゼルス。12試合中9試合が2得点以下と打線の機能を失っていた。
5月1日(日本時間2日)のボルティモア・オリオールズ戦では、2-2と同点の9回裏1死満塁の場面で、3番打者のジャスティン・アップトンがサヨナラ打を放って5試合ぶりの勝利をもたらしたが、その試合を見ていてアップトンではなく大谷を3番に置くべきだと強く感じさせられた。
右打者が多いエンゼルスは、1番イアン・キンズラー、2番マイク・トラウト、3番アップトン、4番アルバート・プーホルスと打線の頭から4人続けて右打者が並んでいる。3番のアップトンと5番の大谷翔平を入れ替えれば、右、右、左、右となり、バランスの悪さが改善される。
また、1日の試合ではトラウトが3打席連続での敬遠四球を含む4四球で歩かされた。敬遠の3打席は全て後続のアップトンが打ち取られ、敬遠策が正しかったことが証明された格好となった。打率.228と低打率のアップトンよりも打率.333の大谷の方がチャンスを生かせる確率は高くなるはずだ。今季ここまでアップトンが打席に入ったときには89人の走者がいたが、アップトンが生還させたのは11人だけで12%の確率でしかない。大谷の場合は32人の走者がいて、8人が生還。生還率はアップトンの2倍に値する25%だ。
大谷をトラウトに後ろに置けば、相手投手は簡単にトラウトとの勝負を避けれなくなり、トラウトの強打が発揮される場面は増える。それだけでなく、出塁率.423のトラウトが大谷の前を打てば、大谷が打席に入ったときに走者がいる確率も高くなる。このように大谷に3番を打たせることで、トラウトと大谷の両者に相乗効果が期待できる。
1日の試合では一二塁間に一塁手、二塁手、遊撃手の3人の内野手を守らせるシフトを引かれた大谷。1打席目には一二塁間に打球を転がしショートゴロに倒れたが、2打席目には三塁手が1人しかいないガラ空きの三塁線を破る二塁打を放ってみせた。
強引に引っ張るだけでなく、状況に応じて流し打ちもできる器用さと柔軟性も兼ね揃えている大谷は3番打者に相応しい。
大谷を3番に据えれば、エンゼルスの得点力アップが期待できる。