オートバイのあれこれ『漢!ナナハン!角Z!』
全国1,000万人のバイク好きたちへ送るこのコーナー。
今日は『漢!ナナハン!角Z!』をテーマにお話ししようと思います。
1973年に登場した名車・「ゼッツー」こと『750RS』。
ゼッツーはデビュー時から高い人気を得て当時のバイクシーンを引っ張っていたわけですが、開発競争が激しい70年代にあって、カワサキ以外のメーカーも精力的に高性能なオートバイを生み出しており、ゼッツーの優位性や人気ぶりもそう長くは続きません。
もちろん、カワサキも750RSのマイナーチェンジモデルとして『Z750FOUR』をリリースしていましたが、Z750FOURは外観的に750RSからの変化が小さく、新鮮味という点では他メーカーのニューマシンのほうが勝っていたといえるでしょう。
Zの人気が徐々に下降線を描くなか、カワサキは世間の関心を再度Zへ向けさせるため、Zの大幅リニューアルを決意。
そうして79年に誕生したのが、『Z750FX』でした。
画像を見て分かるとおり、最大のリニューアルポイントはそのスタイリング。
750RSの頃から続いてきた流線型デザインから、それとは真逆ともいえる直線的デザインへと改められました。
いわゆる「角Z」スタイルですね。
エンジン、フレームといった主要な部分はZ750FOURから受け継ぎ、スペック的にもさほど大きく進化していたわけではないZ750FXでしたが、やはりその大胆なイメチェンはインパクトが大きく、Z750FXはたちまち人気を博すこととなりました。
79年はZ750FXだけでなく、兄貴分の『Z1000Mk.Ⅱ』、弟分の『Z400FX』もデビューしており、カワサキの「角Z元年」と表現してもいいかもしれませんね。
(厳密には、78年登場の『Z1-R』が初代「角Z」なのですが)
Z750FXはデビューするやいなや世間の注目を一挙に集めることに成功しますが、その注目度の高さは長く続きませんでした。
どういうことかと言うと、FXのデビューから約半年後に、ホンダから『CB750F』が現れたのです。
CB750Fはありとあらゆる部分が大きく進化していて、Zも含めた他メーカーのライバル車が全て“時代遅れ”に見えてしまうくらいの先進性を備えていました。
このCB750Fの出現によりカワサキもZ750FXのブラッシュアップを余儀なくされ、翌80年には早くも『Z750FX Ⅱ』へのモデルチェンジが行われたのでした。
※『Z750FX Ⅱ/Ⅲ』の話はまた別の機会に!