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2023年夏の驚異的な暑さの後に、蚊の活動ピークがやってくる!?

TOUYA化学系研究者

 今年、日本は過去126年間で最も高温な夏を経験しました。平年に比べ1.76も高く、2010年の記録(平年比プラス1.08)をも大きく塗り替えました。9月を迎えて、朝夕はわずかに涼しさを感じるようになりましたが、それに伴い庭のお手入れを考えている方も増えていることでしょう。しかし、秋の訪れを理由に蚊への対策を怠ると、思わぬトラブルの原因となる可能性があります。

 

 日本の主要な蚊、アカイエカは約20~30、ヒトスジシマカ(ヤブ蚊)は約25~30を好む温度帯とされます。特に気温が30を超えると、その動きは鈍り、35を超えると昼間の活動はほとんど見られなくなります。言い換えれば、今年のような高温の夏が終わった後が、蚊のピーク活動期とも言えるでしょう。

屋外での蚊対策

①服装の選び方:

蚊は黒や茶色など濃い色の衣服や白黒のボーダー柄に引き寄せられます。足元も注意が必要で、足の匂いに惹かれる蚊から守るため、足首を覆うソックスの着用が推奨されます。特にアウトドア活動時は、白や薄色の長袖・長ズボンと、足首を隠すソックスで肌の露出を最小限にしましょう。

②汗対策:

蚊は汗の匂いに寄ってきますので、定期的に汗を拭き取ることが効果的です。

③虫除け剤の利用:

場面や年齢に応じて、自然由来のものやイカリジン、ディートなどの成分を含む製品を選ぶと良いでしょう。

屋内での蚊対策

①窓の開け方

網戸を設置している場合、窓は右側を優先して開けると効果的です。左側を開ける場合は、半開きではなく全開にすることで蚊の侵入を防ぐことができます。

②虫除け剤の利用

蚊取り線香やワンプッシュスプレー、アロマオイルを使用することで室内の蚊を寄せ付けにくくします。

③扇風機の活用

蚊は強風を嫌います。扇風機の風で蚊の感知能力を混乱させることができます。

まとめ:2023年夏の驚異的な暑さの後に、蚊の活動ピークがやってくる!?

 今回は、夏の終わりに活発となる蚊の対策について紹介しました。気象庁の予報によれば、今後3か月の間に、北日本は平年並みかそれ以上の気温が予想され、東・西日本と沖縄・奄美では平年よりも高温が続く見込みです。高温が続くと、蚊の活動も活発化する可能性が高まりますので、虫除け対策を怠らないようにしてください。

化学系研究者

東京工業大学大学院の修士課程を卒業後、化学メーカーの研究者として従事。研究成果がメディアに取り上げられた経験有り。化学に関連する記事を書いています。

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