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鹿島GKクォン・スンテが語るJリーグへの適応とW杯出場に向けた韓国代表の現状

金明昱スポーツライター
今季から鹿島に加入した韓国代表GKクォン・スンテ(写真:築田純/アフロスポーツ)

4月1日に行われたJリーグ第5節の大宮アルディージャ戦。この日は先発ではなく、ベンチを温めた鹿島アントラーズの韓国代表GKクォン・スンテ。試合は1-0で鹿島が勝利したが、試合終了後のミックスゾーンでクォン・スンテにJリーグにどのようにして適応したのか、そしてロシアW杯アジア最終予選でA組2位の韓国代表の現状について聞いた。

チームメイトとたくさん会話

――まずはJリーグ第5節の大宮戦は先発出場ではありませんでした。その理由は?

W杯アジア予選に出場していたので、チーム全体で練習をする時間もかなり空きました。この試合に関してはコンディションの調整もあると思います。私はチームが勝つためにベンチでしっかり応援していましたよ。

――Jリーグ開幕してから、すぐにチームにフィットしているように感じます。その秘訣はなんですか?

日本に来てからはチームに早く溶け込めるように努力しています。一つは少しずつ日本語を覚えていくことです。チームメイトとたくさん会話することを意識することで、かなり上達してきましたし、周りも私のことを助けてくれています。それでJリーグや日本での生活にもすぐ溶け込めているのだと思います。

――GK曽ヶ端準選手とのレギュラー争いもあります。

もちろん試合に出ることは大事ですが、まずはチームのために自分が何ができるのかを考えることが最優先です。もちろんレギュラー争いがあるからこそ、いい緊張感を保って練習に励むことができています。何よりも、自分が試合に出るためにもっと努力する必要があると思います。

――第5節が終了して鹿島は4勝1敗とJリーグ2位です。今のチームの状態や雰囲気をどのように感じていますか?

とても雰囲気がいいですよね。ここまで4連勝していますし、これからもいい試合を見せられるようにがんばりたい。それにアジアチャンピオンズリーグ(ACL)もあるので、その準備もしっかりやっていきたいです。

――まだ日本に来たばかりですが、JリーグとKリーグの違いは?

まだ数試合しかピッチに立っていないので、これが違いというのは断言できませんが、私が一番感じるのは韓国は“タフ”なフィジカルを前面に押し出したサッカーで、日本は“緻密”なパスサッカーを駆使するという印象でしょうか。

――GKの立場からして、DFとの意思疎通やラインの統率などで戸惑いを感じたりはしませんか?

どのチームにおいても守備をする選手に違いを感じることはありません。どうしても日本語がまだ流ちょうではないので、そこが解決されれば、守備の連係ももっと良くなると思います。

W杯最終予選の韓国代表の今

――クォン・スンテ選手はW杯アジア最終予選にも出場しています。現在A組2位ですが、中国に0-1で敗れ、続くシリアには1-0での辛勝でした。シリア戦ではスーパーセーブでチームを勝利に導いたことが話題になっていますが、全体的に韓国は苦戦しているように見えます。

今の韓国代表に様々な意見があるのは知っています。ただ、選手はウリ・シュティーリケ監督が求めるサッカーを忠実にこなすことが第一です。ピッチで戦う選手たちがもっとがんばらないといけないと思います。シュティーリケ監督の悩みも多いと思います。とにかくどんな状況であっても、ベストを尽くしてW杯に出場することを代表選手のみんなが考えないといけない。

――4月3日に韓国サッカー協会で技術委員会が開かれ、解任か留任かと騒がれていたシュティーリケ監督がそのまま続投することになりました。

これについては選手が特に神経を使うところではありません。誰が監督になっても、とにかくW杯に出場するために選手が奮闘するしかないでしょう。

――W杯アジア最終予選の日本代表の結果も見ていると思います。B組1位の日本とA組2位の韓国の成績を比較されることも多いと思います。

韓国と日本がW杯に出場するのは当然のことと見られているので、その中で結果を残すのはそう簡単なことではないと思います。韓国も日本も似たような悩みがあると思います。韓国と日本がアジアを代表するチームとして、最終的には共にW杯に出場することができればいいと思います。

――W杯アジア最終予選も残り3試合です。どのように戦いますか?

まだアウェーで難しい試合が残っています。まずは代表選手たちが各所属クラブで自分のポジションをしっかりと確保して、結果を残すことが大事だと思います。特に韓国国民とサッカーファンが、今の韓国代表をどのように見ているのかはよく分かっています。ファンの人たちが納得できる試合をしていくしかないと思います。

試合を終えた帰り際、短い時間だったがクォン・スンテはしっかりと目を見て答えてくれた。彼は今、日本の環境とJリーグに溶け込もうと努力している。これからもJリーグとW杯アジア最終予選でのハイパフォーマンスに期待したい。

スポーツライター

1977年7月27日生。大阪府出身の在日コリアン3世。朝鮮新報記者時代に社会、スポーツ、平壌での取材など幅広い分野で執筆。その後、編プロなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めたあと、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。11年からは女子プロゴルフトーナメントの取材も開始し、日韓の女子プロと親交を深める。現在はJリーグ、ACL、代表戦と女子ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。

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