世界一のサッカー選手の負傷
7月22日のMLSデビューから、インテル・マイアミの背番号10として、アメリカ人ファンにサッカーの魅力を伝えてきたリオネル・メッシ。連戦が続くなかで、このほどケガに見舞われた。
9月8日にアルゼンチン代表として2026年のワールドカップ予選、エクアドル戦にも出場。FKを鮮やかに決めて1-0の勝利に貢献した。だが、12日のボリビア戦には欠場を余儀なくされる。
米国に戻り、21日のトロントFC戦では先発でピッチに立ったメッシだったが、37分に自ら監督に訴えて、ベンチに退いた。28日には、USオープンカップ決勝のヒューストン・ダイナモ戦が催されたが、マイアミが1-2で敗れる様を客席から見守るしかなかった。
そんなメッシについて、同胞である元アルゼンチンユース代表&ビーチサッカーアルゼンチン代表であるセルヒオ・エスクデロに話を聞いた。
「エクアドル戦でFKを決めた瞬間に、左ハムストリングの肉離れを起こしたようです。治療し、アメリカでも調整したようですが、また痛みが生じたらしいですね。
まぁ、MLS入りしてから、週に2試合ペースでずっとやってきましたから、疲労が溜まりますよ。いくら神様に選ばれた選手であっても36歳。今後は、どうしたってケガをしやすくなります。
とはいえ、アメリカのファンは、どうしてもメッシを生で見たい。そう感じるのは当然です。メッシが出ないと、お客さんが入らないし、スポンサーも集まらないでしょう。深刻な事態に陥らないといいのですが…。アルゼンチン国内でも、旅行社が『メッシ観戦、MLSツアー』を幾つも立ち上げていますよ。
アメリカのリーグは世界でも珍しく、昇格と降格がありませんから、メッシに無理をさせたくないな、というのが僕の個人的な意見です。マイアミの共同オーナーであるデイビッド・ベッカムとしっかり話して、メッシなしでも勝てるチーム作りが必要ですよね。
メッシは、1カ月で4試合くらいの出場にしてあげてほしいです。あんまりプレーさせ過ぎると、壊れてしまいますよ」
気になるアルゼンチン代表でのメッシについて、エスクデロはこう語った。
「2026ワールドカップは、南米から6チーム半出られます。6チームは自動的に出場権を得て、7位が大陸間プレイオフに回ります。アルゼンチンが6位以内に入るのは、まず問題無いでしょう。
今、若手の成長が著しく、今後が楽しみなんです。代表は国民の期待を背負ってワールドカップ連覇を目指しますが、予選ではメッシの起用をある程度セーブして、あくまでも照準を本大会としてやってほしいです。それも、フル出場ではなく、スーパーサブ的な存在でもいいんじゃないかな。2026年って、彼は39歳ですからね」
マイアミのヘラルド・マルティーノ監督は、21日のトロント戦後、「短い時間であっても、レオがプレーするのは賢明ではなかった。しかし、彼は間違いなくシーズン終了前に再びプレーする筈だ。レオの出場はメディカルチームのフィードバックに基づいて試合ごとに決定される」とコメントしている。
7月下旬にマイアミの一員となって以来、メッシがマイアミに与えた影響は計り知れない。11ゴールを決め、合計16ゴールに絡んでいる。メッシが出場した試合で負けたことは一度も無い。
だからこそ、ファンも期待するのだが……。
現在、東地区15チーム中13位のマイアミのプレイオフ出場は厳しい状況に立たされている。メッシの復帰はいつとなるか。