ムーキー・ベッツの頭文字(イニシャル)が「MLB」であるように「NPB」の選手もいる…はず
ムーキー・ベッツ(ボストン・レッドソックス)のフルネームは「マーカス・リン・ベッツ(Markus Lynn Betts)」なので、イニシャルは「MLB」となる。MLB.comのCUT4ではこれに引っかけ、エイドリアン・ギャロが何人かのイニシャルを紹介している。例えば、アンドルー・キャッシュナー(ボルティモア・オリオールズ)は「ABC」、エイドリアン・ゴンザレス(ニューヨーク・メッツ)はオールスター・ゲームの略称と同じ「ASG」といった具合だ。
ということは、イニシャルが「NPB」の選手もいるのではないか。さらに、その選手は日本プロ野球(NPB)でプレーしているかもしれない。
調べてみたところ、NPB経験者のなかには見つからなかった(ご存じであればご教示を!)。マイク・ボルシンガー(千葉ロッテ・マリーンズ)の「MPB」は惜しいものの、違うことに変わりはない。マーシャル・ブラント(1984~85年・日本ハム・ファイターズ)やメルビン・バンチ(2000~02年・中日ドラゴンズ)のイニシャルは、「NPB」ではなく「MLB」だ。
NPBでプレーしたことのないメジャーリーガーにも、該当者はなし。ただ、マイナーリーガーには、「NPB」のイニシャルを持つ選手がいた。ピエール・ブロントという外野手だ。フルネームは「ネビル・ピエール・ブロント(Neville Pierre Blount)」。従って、イニシャルは「NPB」となる。
ブロントは、2001年のドラフトでタンパベイ・デビルレイズから12巡目(全体349位)指名を受け、その年はルーキーリーグで41試合、翌年はA-で52試合に出場した。トータルの成績は、打率.252、出塁率.382、9本塁打、9盗塁。理由はわからないが、ベースボール・プレーヤーとしてのキャリアは、そこで終わっている。
ちなみに、ブロントと同じ年のドラフトでデビルレイズに入団し、後に日本プロ野球でプレーした選手は2人いる。5巡目(全体139位)のクリス・セドンは、2014年に読売ジャイアンツで10試合に投げた。18巡目(全体529位)のジョニー・ゴームズは、2016年に東北楽天ゴールデンイーグルスで18試合に出場した。
ベッツはこれまでも好成績を残してきたが、今シーズンはさらにギアを上げ、両リーグ1位の打率.368や16本塁打などを記録している。「MLB」のイニシャルを持つ選手が「MLBの顔」になりつつある。いつか、イニシャルが「NPB」の選手がNPBで大活躍する日も来るだろうか。