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第81期順位戦、これから開幕! 藤井聡太竜王(19)はA級1期目で名人挑戦権を獲得できるか?

松本博文将棋ライター

 4月18日。第81期順位戦のリーグ表が発表されました。

 注目の藤井聡太竜王(19歳)は今期、A級初参加です。

 19歳8か月でのA級在籍は、加藤一二三九段(18歳3か月)に次いで史上2位の記録です。

 藤井竜王の過去5期の順位戦通算成績は驚異の49勝3敗です。

 A級1期目で名人挑戦権を獲得した例は、過去に9例あります。

 谷川浩司八段(当時)はA級1期目の20歳で名人挑戦権を獲得。そして史上最年少21歳で名人位に就いています。

 藤井竜王は7月19日の誕生日を迎えると20歳に。今期名人挑戦権を獲得し、来年度の名人戦七番勝負を制すると、史上最年少20歳で名人位に就く可能性があります。

 言うまでもなく、今期のA級メンバーも錚々たる顔ぶれです。そのA級棋士たち(渡辺明名人、斎藤慎太郎八段含む)に対して藤井竜王は、59勝23敗(勝率0.720)という成績をあげています。

 史上最年少五冠の藤井竜王。A級棋士を相手にして、これだけ圧倒的な成績をあげている点を見れば、今期挑戦権争いの本命と言って、なんら差し支えはないでしょう。

 A級は全9戦。先手番の対局数は5か4となります。藤井竜王は抽選によって、先手番が5局になったのも有利な点です。

 また藤井竜王にとってホームの地である名古屋に対局場が設けられ、今期順位戦から使われることになったのも、大きな追い風となりそうです。

 藤井竜王は今期A級1回戦で元名人・佐藤康光九段(52歳)と対戦します。A級最年少と最年長、そしてA級1期目と26期目という構図です。

 いよいよ始まる今期順位戦。開幕が待ち遠しいところです。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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