ナビを使って目的地まで自動運転する日産の最新型実験車両公開
日産自動車は本日、厚木の先進技術センターで開催した「Advanced Technology Tour」にて、高速から一般道までの自動運転が可能な最新型実験車両を公開した。
「ニッサン インテリジェント ドライビング」と命名された日産の自動運転のコンセプトをそのまま車名とするこの車両は、電気自動車リーフがベース。
ここにミリ波レーダー、レーザースキャナー、カメラなどの特長が異なる複数のデバイスや、高速チップ、専用のHMI(ヒューマンマシンインターフェイス)を搭載している。この構成だけを見ると、すでに存在する他メーカーの自動運転実験車両などと大きく変わらないように思える。
しかし話を聞くと、その中身はかなり異なることが分かった。まずトピックスは、これまで発表されたてきた他の自動運転車と異なり、ナビゲーションシステムで設定した目的地までの自動走行を可能としたこと。 高速道路上のある区間で自動運転するだけでなく、さらに一歩踏み込んで一般道も含めたルートでの自動運転を可能とした。
そしてこれを可能とするために、2つの革新的な技術を新たに開発し発表した。
ひとつは世界最先端の小型・高性能な量産試作段階のレーザースキャナー。高精度な3次元計測によって、車両周囲の物体との距離を正確に把握しながら安全に走行できるという。関係者によればこのレーザースキャナーは「今後の主流になる」といえるもの。これまで他メーカーの実験車両で屋根の上についていたライダー以上の性能ながら、可動部を一切持たない小型タイプで、車両の前後バンパーと両サイドに設置される。
またもうひとつの新技術が、遠方までの360度視野を持つ8カメラシステム。バックミラー辺りに3つ、ルーフ左右に2つ、リアに1つのカメラを備えている。またカメラと合わせて高速チップを組み合わせることで認知から判断までの流れにより高い精度を得ており、交差点やきついカーブを走行するときにクルマの進むべき方向を的確に決められるのだという。
同時に日産自動車は今後の自動運転の実現化の流れとして、2016年末には混雑した高速道路上での安全な自動運転を可能とする「パイロットドライブ1.0」を世界に先駆けて日本市場に導入予定だとアナウンスした。またその後2018年には、高速道路での車線変更「自動的に行なう、複数レーンでの自動運転技術の実用化を目指しており、2020年までには交差点を含む一般道での自動運転技術の導入を計画しているとした。
東京モーターショーを前に、各メーカーが積極的な発信を行いはじめた自動運転技術。さらに今後、世の中に対するアピールが熱を帯びてきそうな気配だ。