子どもってどう叱ったらいいの?上手な叱り方とNGな叱り方を幼児教育講師が教えます!〜後編〜
こんにちは!幼児教育講師のTERUです!
今回も前回に引き続き『子どもの叱り方』についてお話しさせていただきます。
【子どもの叱り方20の鉄則】
7.人格ではなく、行動を叱る
叱るときにはあくまで行動を叱りましょう。
そのときのポイントは、主語を子どもにしないことです。
主語を子どもの名前にして「〇〇ちゃんダメでしょう!」といった叱り方はその子の存在を否定してしまうことになります。絶対にしてはいけません。
主語は子どもの名前でなく「いじわるをしちゃダメでしょう!」というように行為を主語にしましょう。
8.叩くならお尻を叩く
本当に悪いことをしたら、言葉だけでなく手を出すのがやむを得ないことがあります。
その際は、必ずお尻を叩きましょう。
頭や手などは叩いてはいけません。
叱るという行為で叩かれる経験は、実は大事だったりします。
悪いことをして痛みを感じることで、人の痛みが分かるようになるのです。
9.叱った日は夜に抱きしめてあげる
叱った日の夜は「〇〇ちゃん今日はよく我慢したね」と言って抱きしめながら褒めてあげましょう。
1日を負のイメージで終えないことは子どもがプラス思考を身に着けるためにとても大切です。
10.本人が責任を感じている様子の場合は叱らない
ふざけていてお皿を割ってしまったなど、子どもが叱られるようなことをしても、それを反省している場合は叱りすぎてはいけません。
しかし、その後の始末は自分でやらせましょう。
お皿を割ったのであれば、自分でその処理をさせるなど自己責任を取らせることで、自立した心が育つチャンスになります。
11.叱るときは現行犯で
叱るときはその場がいいです。
後でちゃんと叱ろうと思い「やめなさい!」とだけ言って、いざ後から話しても、子どもは忘れてしまっていますし、悪いことをしたという意識も薄れています。
せっかくのお母さんの言葉が心に入って行きにくくなってしまうので、子どもを上手に叱るには、現行犯のみが有効だと覚えておいてください。
特に男の子はその傾向が強いです。
12.テレビなどは消して、真剣な雰囲気を演出する
叱るときの言葉を子どもに伝えやすくするには「何だか今日のお母さんは違う」と思わせることが大切です。
その邪魔をするのがテレビなどの日頃から流れていて、子どもが好きな音です。
必殺技として叱るのであれば、その場の雰囲気にも気を使って演出ができると子どもはしっかりと話を聞いてくれやすくなります。
13.真剣な表情を作る
先ほどのテレビと同様に、真剣な雰囲気を作るためにはお母さんお父さんの表情も大切です。
いつもは見せないような真剣な表情で子どもを叱ることを意識すると、子どもに「何だか今日のお母さんは違う」と思わせることができます。
俳優や女優になったつもりで雰囲気を作ってみましょう。
14.小さな低い声でゆっくり叱る
これも真剣な雰囲気を作るテクニックです。
叱るというと強い口調で声を荒げる人がいますが、その叱り方は効果的ではありません。
子どもは大きい声で言われるのには慣れていますから、あえて少し小さく低い声で話しかけられると「何だか今日のお母さんは違う」と子どもに思わせることができます。
15.ときには他の人に叱ってもらうのも効果的
何度も同じことを繰り返してしまう子どもに対しては、他の人に叱ってもらうのもありだと思います。
同じことを何度も言われている子どもは、恐らく親から叱られることに慣れてしまっています。
他の人に叱られることによって一発で治るなんてこともありますので、ときには人を頼るのも大切です。
今は少なくなってきてしまいましたが、ご近所付き合いが積極的だった昔は、近所のおじさんに叱られるなんて経験がたくさんありました。
そんな経験はとても尊いものだと思います。
16.叱る前に「どうしてこの子はこんなことをしたのかな?」と考える
叱る行為で子どもとの関係をどんどん悪くしてしまう人がいます。
その理由は単純で叱るたびに子どもに「お母さんは僕のことをわかってくれていない」と思わせてしまっているからです。
子どもの問題行動には子どもからのメッセージが隠れています。
そのメッセージを考えずに頭ごなしに叱ると、子どもとの信頼関係は壊れていきます。
まず子どもをよく観察して「どうしてこの子はこんなことをしたのかな?」と考えてあげる習慣を持ちましょう。
例えば、壁にラクガキをしてしまった子。
よく観察して考えてみると、何やら人の絵を書いています。
実はお母さんを喜ばせようと一生懸命お母さんの絵を描いたということだと分かりました。
それは叱る対象ではなく「お母さんのために頑張ってくれたのね。ありがとう!でも壁に描くと消せなくなってしまうから、次は紙に描いてくれると嬉しいな!」と伝えれば済む話です。
それを間違えて叱るから、子どもとの信頼関係が崩れていくのです。
17.バカにしたような言葉と皮肉な言葉を使わない
「なんでこんなこともできないの?」この言葉は子どものやる気を奪う言葉第1位と言ってもいいでしょう。
叱るときに絶対に子どもをバカにするような言葉は使ってはいけません。
他にも「あなたが行動するのが遅いからお母さん自分のことが何にもできないわ」などと、皮肉を言うのも子どもの自尊心を傷つける言葉ですし、「自分が大好きなお母さんの迷惑になっている」と思うことほど、不幸なことはありません。
18.脅すような叱り方はしない
「次同じことしたら、来月のお小遣いはなしだからね」などと、脅すような叱り方も絶対にしてはいけません。
これは典型的な恐怖で子どもを動かそうとする行為で、恐怖で動くモチベーションは継続しませんし、他のしつけをしようとしたときに、同じように脅されないと動かなくなります。
19.最後はちゃんと謝らせる
子どもがしてしまったことで迷惑をかけてしまった人がいる場合は、ちゃんと謝らせることは大切です。
子どもが素直になれず、その場でどうしても謝れなかったら、後日でも謝りに行かせるべきです。
謝ることを社会に出る前にちゃんと学んでいないと、社会に出てから苦労をします。
叱られた後に「申し訳ありませんでした」「以後気を付けます」などと言えることは社会人としての基本です。
20.叱ることの一番の目的は子どもの意識レベルを上げること
例えば、子どもが万引きをしたり、非人道的なことをしたとしましょう。
そんなときに、万引きがどれだけよくないことなのかが理解できていないのであれば、論理的に話して理解させるのも大事かもしれません。
ですが、ほとんどの子は万引きが悪いなんてことはわかっています。
大切なのは
・「あなたはこんなことをするために生まれてきたわけじゃない」
・「あなたは人を幸せにすることのできる素晴らしい人間なのよ」
と伝え、子どもの意識レベルを上げてあげることです。
子どもはまだまだ未完成です。間違ったこともしてしまいます。
ですが、それで「この子はもうダメだ」とか「ここまでの子育ては間違っていた」なんて悩む必要はありません。
親の役割は常に子どもの意識レベルを上げてあげて「僕はこんなことをする人間じゃないんだ」「こんなことをしていちゃダメだ!」と思い直させてあげることです。
最後にこう言ってあげてください。
・「お母さんあなたのことを信じているよ」
その言葉が、子どもを最大限引き上げる一番の言葉です。
いかがでしたでしょうか?
だいぶボリュームのある内容になってしまいましたが、最後までご覧いただきありがとうございました!
これを一度に全て頭に入れて実践することは難しいと思いますので、まずは1つだけでも意識していただけたると嬉しいです。
皆さんの子育てを応援しています!