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なぜレヴァンドフスキはバルサ移籍を望んでいるのか?マネのバイエルン加入の可能性と”挑戦”への意欲。

森田泰史スポーツライター
ゴールを喜ぶレヴァンドフスキ(写真:ロイター/アフロ)

新たなチャレンジが、必要なのかもしれない。

来季に向け、補強を検討しているのがバルセロナだ。アンドレアス・クリステンセン(チェルシー)、フランク・ケシエ(ミラン)の獲得を決定的としながら、クラブは次のターゲットとしてロベルト・レヴァンドフスキ(バイエルン・ミュンヘン)を狙っている。

シュートを打つレヴァンドフスキ
シュートを打つレヴァンドフスキ写真:ロイター/アフロ

レヴァンドフスキは2023年夏までバイエルンと契約を結んでいる。だがレヴァンドフスキ自身の中では、移籍の意思がすでに固まっているようだ。

「長きにわたり、僕はずっと準備ができている状態をキープしてきた。怪我があっても、痛みがあっても、常にすべてを尽くしてきた。今、僕とバイエルンの両者にとって、ベストな選択肢を探すべきだ。これだけ長い時間を一緒に過ごして、一方的な決断をするというのは、意味がない」

「成功に満ちた時代を過ごし、僕はその中で敬意と忠誠心をもって、サポートしてきた。それが、仕事の上で最も大事なことだと考えている。ただ、自分のなかで何かが死んでしまった。新たな感情が必要なんだ」

■玉突き移籍の可能性

一方、バイエルンは、サディオ・マネに関心を寄せているとみられている。今季、リヴァプールで51試合に出場して23得点をマークしたマネだが、チャンピオンズリーグ決勝後に退団を示唆するコメントを残していた。

バイエルンはマネの獲得に本腰を入れようとしている。移籍金3000万ユーロ(約42億円)のオファーはリヴァプールに断られたようだが、移籍金を引き上げる準備をしているという。

マネがバイエルンに移籍した場合、「玉突き移籍」が起こる可能性がある。つまり、マネがリヴァプールからバイエルンに、レヴァンドフスキがバイエルンからバルセロナに移籍する、というパターンだ。

移籍を志願しているマネ
移籍を志願しているマネ写真:Maurizio Borsari/アフロ

ただ、現状、バイエルンはレヴァンドフスキの移籍を認めていない。「レヴァンドフスキから電話をもらった。彼の公の場での発言について話をしたよ。そこで、彼の契約に関して、我々の立場を明確にした」とはスポーツディレクターのハサン・サリハミジッチの弁だ。

バイエルンは昨年夏、ダビド・アラバ(29歳)をフリートランスファーで放出した。キャリアの晩年にレアル・マドリー移籍を決断したオーストリア代表DFは、移籍一年目でレギュラーに定着してマドリーのチャンピオンズリーグ制覇とリーガエスパニョーラ優勝の2冠に大きく貢献した。

レヴァンドフスキは、あと一年、バイエルンとの契約を残している。しかし、キャリアの終盤に差し掛かっているとはいえ、簡単に移籍を容認してはアラバの二の舞いになりかねない。それだけは避けたい、というのがバイエルンの本音だろう。

■混沌とした状況

また、ここにきて、バルセロナはアンヘル・ディ・マリアに関心を示している。ウスマン・デンベレの契約延長問題があり、なおかつラフィーニャ(リーズ)の獲得が難しい状況で、ディ・マリアが獲得候補に挙げられているのだ。

ディ・マリアは、パリ・サンジェルマンとの契約が満了を迎え、この夏にフリーになる。移籍金ゼロで獲得可能なプレーヤーで、その点は魅力的である。

この夏にフリーになるディ・マリア
この夏にフリーになるディ・マリア写真:ロイター/アフロ

現在、レヴァンドフスキ(33歳)、ディ・マリア(34歳)をバルセロナが獲得するのではないかという噂が立ち上っている。

他方で、ガビ(17歳)の契約延長の一報は、まだ届いていない。混沌とした状況で、将来有能なカンテラーノを逃さなければいいが…。そんな思いが、杞憂に終わることを願っている。

スポーツライター

執筆業、通訳、解説。東京生まれ。スペイン在住歴10年。2007年に21歳で単身で渡西して、バルセロナを拠点に現地のフットボールを堪能。2011年から執筆業を開始すると同時に活動場所をスペイン北部に移す。2018年に完全帰国。日本有数のラ・リーガ分析と解説に定評。過去・現在の投稿媒体/出演メディアは『DAZN』『U-NEXT』『WOWOW』『J SPORTS』『エルゴラッソ』『Goal.com』『ワールドサッカーキング』『サッカー批評』『フットボリスタ』『J-WAVE』『Foot! MARTES』等。2020年ラ・リーガのセミナー司会。

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