44歳の投手が今シーズン初登板。到達した「20年連続登板」は歴代何番目の長さ!?
8月29日、リッチ・ヒル(ボストン・レッドソックス)は、0対2の7回表、2死一塁の場面で、カッター・クロフォードに代わってマウンドに上がった。
二盗を許したものの、打者を三振に仕留めたヒルは、次のイニングも完璧に抑えた。先頭打者と2人目を内野ゴロに討ち取り、3人目から三振を奪った。
この日は、シーズン初登板。今月17日にレッドソックスとマイナーリーグ契約を交わし、23日にAAAで先発投手として2イニングを投げ、27日に昇格した。44歳の年齢は、今シーズン、メジャーリーグでプレーしている選手のなかで最も上。ヒル以外は、野手も投手も41歳以下だ。
契約までの経緯については、こちらで書いた。なお、ローテーション入りを予想していたが、今のところは、リリーバーとして投げるようだ。
◆「44歳の投手を加え、レッドソックスはワイルドカードをめざす!?」
ヒルは、2005年にメジャーデビューした。そこから、主にマイナーリーグで過ごした年や、独立リーグで投げた年もあったが、メジャーリーグで登板しなかった年は一度もない。
20年連続登板は、見落としがなければ、史上38人目。歴代29番目の長さだ。最長は、ノーラン・ライアンが1968~93年に記録した26年連続。ライアンは、1966年にデビューした。2番目に長いのは、ジム・カットとチャーリー・ハフの25年連続。彼らのストリークは、1年目からだ。それぞれ、1959~83年と1970~94年に投げた。
ここには、メジャーリーグで20年以上にわたって投げながら、途中で登板ゼロの年があり、ストリークが20年未満の投手は含めていない。例えば、通算26年のトミー・ジョンは、12年目と13年目の間に、1年のブランクがある。左肘を痛め、後に「トミー・ジョン手術」を呼ばれるようになる、手術を受けた。
20年以上のストリークを、ヒルが生まれた1980年以降にスタートさせた投手は、以下のとおり。
11人中10人は、メジャーリーグ1年目からのストリークだが、ジェシー・オロスコは、ライアンと同じく、2年目からだ。今世紀に入ってからデビューした投手は、ザック・グレインキーとヒルの2人しかいない。