主な新興国/米国経済ニュース(1月28日)
ウクライナ司法相、市民デモ隊の司法省占拠で非常事態宣言の構え
ウクライナのオレーナ・ルカシ司法相は26日、国民向けテレビ向け演説で、司法省を占拠している反政府市民デモ隊に対し直ちに司法省の建物から退去するよう呼びかけるとともに、反政府デモ隊がこの要請に応じない場合には国家安全保障・国防会議に対し、国家非常事態宣言を発令するよう求めていく考えを示した。地元紙キエフ・ポスト(電子版)が27日に伝えた。
反政府市民デモは昨年11月下旬、ヤヌコビッチ大統領がEU(欧州連合)加盟交渉を中止し、ロシアとの経済連携に大きく傾いたことから、EU加盟とヤヌコビッチ大統領の辞任、総選挙の早期実施を求めて、首都キエフを中心に起こり、年が明けても政府の主要機関が入った建物を警護する警官隊と激しく衝突し暴動化している。
26日には反政府市民デモは警官隊が暴動鎮圧のため集結していた国際貿易センターに押し寄せて火炎ビンを投げる一方、警官隊も催涙ガス弾で応戦するなど、さながら市街戦の様相を見せている。AP通信によると、事態の早期打開を図って、ビクトル・ヤヌコビッチ大統領は26日に野党の党首を首相に任命するという異例の提案を行ったが、反政府運動のリーダーの一人であるアルセニイ・ヤツェニューク元外相は、反体制派の要求は完全に満たされていないとしてこの提案を拒否し、抗議デモの続行を決めている。
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ヤマハ発動機、インドネシアの昨年販売台数は目標達成
世界オートバイ2位のヤマハ発動機は昨年のインドネシア国内での同社製オートバイの販売台数が昨年8月に下方修正した255万台の販売目標をほぼ達成したことを明らかにした。地元経済紙ビジネス・インドネシア(電子版)が27日に伝えた。
また、同社の今年のインドネシアでの販売見通しについて、昨年並みの水準になるとしている。柳弘之CEO(最高経営責任者)は、「インドネシアではオートバイの購入時の頭金に対する規制が強化され逆風となったため、我々の昨年1年間の販売数量の見通しを厳しく見積もらなければならなかった。しかし、蓋を開けてみると思った以上に販売が伸びた」と述べている。
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トヨタ、インドネシア・西ジャワ州にエンジン工場を年内に建設着工へ
トヨタ自動車のインドネシア法人、トヨタ・モーター・マニュファクチャリング・インドネシア(TMMI)自動車は年内に、インドネシアの西ジャワ州にエンジン生産工場の建設に着手することを明らかにした。新工場は既存の3工場に続くものでインドネシアでは4番目の工場となる。ジャカルタ・グローブ(電子版)が27日に伝えた。
TMMIのマデ・ダナ・タンカス取締役はすでに150ヘクタールの工場用地を取得しており、2016年までに工場を稼働させたいとしている。投資額については明らかにしていないが、トヨタは2012-2017年の期間中に13兆ルピア(約1100億円)を投入する方針で、2016年までにその70%を消化する計画だという。また、首都ジャカルタ東部のカラワンにあるトヨタの既存工場の投資額2兆3000億ルピア(約190億円)とほぼ同額になるとしている。
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米AT&T、英ボーダフォンの買収観測を否定
米通信大手AT&T<T>は27日に声明文を出し、今後6カ月以内に英携帯電話サービス大手ボーダフォンに買収提案を行うとの一部報道や市場の憶測に関し、「ボーダフォンに対し、いかなる買収提案も行う考えはない」と述べ、買収の憶測を否定した。米経済専門オンラインメディア、CNNマネーが27日に伝えた。
英国の企業買収の独立した仲裁機関である公開買付パネルは、AT&T」に対し、ボーダフォンの買収の考えについて明確にするよう求めていた。また、一部報道でもAT&Tはボーダフォンを最大900億ポンド(約15.3兆円)で買収する提案を行うと報じていた。AT&Tの観測否定を受けて、AT&Tの買収観測で値を上げていたボーダフォンの株価は27日午後の時点で、一時5.5%安の219.8ポンドに反落した。一方、AT&Tの株価も先週末時点で1%以上下落している。
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米キャタピラー、2013年10-12月期純利益は44%増―市場予想上回る
世界最大の建設・鉱山機械メーカー、キャタピラー<CAT>が27日に発表した2013年10-12月期(第4四半期)決算は、純利益が前年比44%増の10億ドル(約1020億円)、1株当たり利益(希薄化後)も同48%増の1.54ドルとなり、アナリスト予想の1.27ドルを上回った。
しかし、売上高は同10%減の144億ドル(約1兆4700億円)となった。ただ、アナリスト予想の134億1000万ドル(約1兆3700億円)を上回った。売り上げが減少したことについて、同社では鉱山機械部門が減少したためとしている。ただ、利益面では経費削減が寄与したとしている。
今年の業績見通しについては、売上高は昨年並みの560億ドル(約5.7兆円)、また、リストラ費用を除いた1株当たり利益は5.85ドル、リストラ費用を含めると5.3ドルになると予想している。このほか、同社は1-3月期に17億ドル(約1730億円)の自社株買いを実施する計画も明らかにした。これによって、2015年までに75億ドル(約7700億円)の自社株買いを実施する計画を完了する。このため、新たに2018年までに100億ドル(約1兆円)の自社株買いを行う計画を明らかにした。同社の株価は27日午前11時51分時点で、4.43%高の89.99ドルとなっている。
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米アップル、10-12月期「アイフォン」販売台数、予想下回る―株価急落
米IT大手アップル<AAPL>が27日に発表した2013年10-12月期(第1四半期)決算は純利益が前年比横ばいの131億ドル(約1兆4000億円)となった。1株当たり利益(希薄化後)は希薄化後の株式数が前年に比べて減少したため、同5%増の14.5ドルとなり、アナリスト予想の14.09ドルを上回った。
一方、売上高は同6%増の576億ドル(約5兆9300億円)となり、アナリスト予想の574億7000万ドル(約5兆9200億円)を上回った。しかし、市場が注目していたスマートフォンの「アイフォン」の販売台数は前年比29%増の5100万台となったものの、アナリスト予想の5700万台を下回った。また、タブレット型PC「アイパッド」は同14%増の2600万台、「マック」は同17%増の480万台だった。
アイフォン販売台数が予想を下回ったことに加え、今期(1-3月期)の業績予想で、売上高を420億-440億ドル(約4兆3000億‐4兆5000億円)としたものの、アナリスト予想の461億2000万ドル(約4兆8000億円)を下回ったことから、同社の株式は27日の通常時間帯の取引を0.81%高の550.5ドルで終えたあとの時間外取引で、米東部時間27日午後7時59分時点で、8.08%安の506.04ドルと、急落した。(了)