台風2号は5月として最大級の大きさに発達中、沖縄から本州付近へ転向も?
5月として最大級の大きさに
台風2号はフィリピンの東海上を北西方向へ進んでいます。
きょう29日(月)午前9時現在の勢力は、中心気圧950hPa、最大風速45メートル、最大瞬間風速60メートルとなっており、一時の猛烈な勢力からは衰えたものの、それでも非常に強い勢力を維持しています。
そして注目は、上図、予報円内の黄色い円で示した風速15メートル以上の強風域の大きさです。強風域は台風の大きさを決める基準となっているもので、最新の発表(速報値)では、この強風域が東側800キロ、西側500キロとなっており、台風の中心からは対称でないものの、その直径は約1300キロにも及び、本州付近をすっぽりと包み込むような大きさとなっています。強風域の直径が1000キロ以上で大型の台風(半径500キロ以上)と定義されますので、台風2号は紛れもなく大型の台風ということになります。
台風の大きさの統計がある1977年以降で、筆者が調べたところ、大型の台風となるのは4個に1個程度の割合で、これまでに300個ほどありますが、5月までに大型の台風となったのはわずかに10個ほどしかありません。
このうち、強風域が最も大きかったのが、2022年4月の台風1号と2000年5月の台風1号で、ともに強風域の直径が約1500キロもありました。今回の台風2号はこれに次ぐ大きさとなっています。ですから5月までに発生する台風としては最大級の大きさと言っても過言ではないでしょう。
巨大化した台風2号は、勢力を徐々に弱めるものの、これから長時間かけて、沖縄地方をゆっくりと北上する見込みです。
沖縄は長時間の影響に警戒を
上図は今週6月1日(木)午後3時の雨と風の予想で、台風2号の中心はようやく石垣島や宮古島付近に近づく予想となっています。台風の勢力は徐々に衰えるものの、沖縄地方は2日(金)頃まで、かなりの長時間、海上を中心に、大荒れが続くおそれがあります。
沖縄地方には多くの島があり、海上交通も盛んなため、ほぼ1週間近くに及ぶ荒天で、生活物資の不足などの影響が心配されます。
台風2号と前線が一体化し、週末に大雨も
台風2号の沖縄付近からの進路には、依然として不確実性が大きいものの、徐々に偏西風に乗り、加速しながら本州の南海上を東進していく計算が多くなってきています。
まだ、どこまで本州付近へ近づくか、どの程度の勢力で近づくか、温帯低気圧に変わるか、あるいはそのタイミングは、週末か、週明けかなど、計算が揃っていませんが、上図のように週末にかけて、台風2号の位相と前線が一体化し、本州付近に大雨をもたらす計算も多く見られますので、今後も最新情報にご注意ください。
参考:国立情報学研究所(デジタル台風)