グリエルJr.を呼び戻し、打倒ドジャースの準備は完了目前!? 最後のピースはドジャースで活躍した…
今年、アリゾナ・ダイヤモンドバックスは、6年ぶりにポストシーズンへ進み、22年ぶりのワールドシリーズでは1勝しか挙げられなかったものの、その前に、2度目のリーグ優勝を成し遂げた。
だが、現在のナ・リーグ西地区には、ロサンゼルス・ドジャースが君臨している。2013年以降の11年間に、ドジャースが地区優勝を逃したのは、両リーグで2番目に多い106勝を挙げながら、サンフランシスコ・ジャイアンツの後塵を拝した2021年だけだ。
今オフ、ダイヤモンドバックスは、2年連続ポストシーズン進出のみならず、2011年を最後に途絶える地区優勝をめざし、着々と補強を進めているように見える。
まず、今シーズンのメジャーリーグ出場が計12試合の2人をシアトル・マリナーズに放出し、三塁手のエウヘニオ・スアレスを獲得した。続いて、FA市場から、先発投手のエデュアルド・ロドリゲスを4年8000万ドルの契約で迎え入れた。
彼らの入団については、それぞれ、こちらで書いた。
◆「2年連続三振王がトレードで移籍。ホームランは31本→22本。獲得側と放出側の思惑は!?」
◆「ドジャース移籍を拒否した投手は、ドジャースと同地区の違う球団へ。契約は4年8000万ドル」
さらに、ダイヤモンドバックスは、今オフにFAとなった、外野手のルルデス・グリエルJr.を呼び戻したようだ。ジ・アスレティックのケン・ローゼンタール、ESPNのカイリー・マクダニエルとジェフ・パッサンによると、合意した契約は3年4200万ドル。そこに、契約2年目が終わった時点のオプト・アウトの権利と、4年目の球団オプションがついているという。
また、ダイヤモンドバックスの補強は、グリエルJr.が最後ではないらしい。パッサンは、彼らはパワーのあるDHを加えることを計画していると報じ、USAトゥデイのボブ・ナイテンゲールは、ダイヤモンドバックスが目をつけているDHにジャスティン・ターナーとJ.D.マルティネスを挙げている。
ダイヤモンドバックスの内野には、一塁から反時計回りに、クリスチャン・ウォーカー、ケテル・マーテイ、ヘラルド・ペルドモ、スアレスが並ぶ。現時点の外野は、レフトがジェイク・マッカーシーかドミニク・フレッチャー、センターがアレック・トーマス、ライトはコービン・キャロル。グリエルJr.は、DHだろう。
パッサンとナイテンゲールが伝えているとおりだとすると、ダイヤモンドバックスは、DHを手に入れ、グリエルJr.にレフトを守らせるつもりだと思われる。ともに26歳のマッカーシーとフレッチャーは、まだ開花しておらず、そうパワーがあるわけでもない。マイナーリーグで記録したシーズン本塁打は、2人とも、2021年の15本が最も多い。
グリエルJr.は、メジャーリーグ2年目の2019年以降、20本塁打以上と出塁率.340以上を交互に繰り返している。ホームランは20本→11本→21本→5本→24本、出塁率は.327→.348→.319→.343→.309だ。2019~20年は計141試合で31本のホームランを打っているので、シーズン30本前後のポテンシャルはあるはず。守備も、不得手ではない。今シーズンの先発出場は、レフトが89試合とDHが50試合だった。
FA市場には、コディ・ベリンジャーやマット・チャップマンも出ているが、ダイヤモンドバックスの予算では入手できそうにないし、チャップマンは、スアレスとポジションがかぶる。その点、30代後半のターナーかJ.D.――来シーズンの年齢(6月30日時点)は39歳と36歳――なら、それほど高額にはならない。今シーズン、ターナーは、出塁率.345と23本塁打を記録した。J.D.は、出塁率こそ.321ながら、ホームランはターナーより10本多かった。どちらも、30本前後の二塁打も打っている。
なお、ベリンジャーもそうだが、ターナーとJ.D.も、これまでにドジャースでプレーしている。ベリンジャーのドジャース時代は、2017~22年だ。2013年のドラフトで、ドジャースに指名された。ターナーは、2014年から2022年までだ。ドジャースへ移り、29歳にして開花。2014~21年に、8シーズン続けてOPS.830以上を記録した。J.Dは、1年前にドジャースへ入団し、今シーズンは、4年ぶりに30本以上のホームランを打った。