ありそうでなかった?こし餡ときな粉の「きな粉団子」街和菓子屋さんでの意外で嬉しいこの出会い
突然ですが。皆さんは、あんこときな粉、お好きでしょうか?
大変ありがたいことに、日々私の記事を読んでくださっている方や関心を持ってくださった方は、少なからず和菓子がお好きかと推測しており、あんこもしくはきな粉いずれか、もしくは両方大好きという方も少なくはないのではないでしょうか。
勿論私はどちらも愛してやまないのですが、その両方を一度に楽しめる、あるようでなかった「きなこ団子」と先日出会いましたのでご紹介。
販売なさっているのは、東京都中央区湊にお店を構える「しげ田」さん。昭和の本当に初期に創業なさった和菓子屋さんで、特徴は昔ながらのショーケースが外に設置された露店スタイル。地元ではおいしいおはぎやお団子で有名な街の和菓子屋さんの代表格ともいうべき存在でして、外からチラリと中をの覗けば、暑い日でも淡々とお団子を焼いていらっしゃる職人さんの姿を見ることができる時間も。
さて、今回は新作なんですという女将さんと二三言葉を交わしまして、さっそく。
丁寧に程よく焼かれたお団子はもちもちとした噛み応えと歯切れの良さが特徴なのですが、その特性を見事に利用したお団子。
と申しますのも、粘り気や伸びの良いお団子は瑞々しさも魅力ですが、水気を孕んだ分きなこに水分がうつりやすいという難点も。しかし、しげ田さんのきなこだんごは、焼き目をいれることで適度に水分をとばし、そこにきな粉の中でも香ばしさや風味が強かな「黒須きな粉」をはらはらとほんのりまぶし、お団子の白さときな粉のきつね色が混ざり合うことなく美しい色合いを保っています。
さらに、白ザラ糖を使用したすっきりとした甘味の瑞々しいこし餡は、お団子との接着面の水分が移ることにより密着し、食べやすい塩梅に。とはいえ、きな粉が落ちてなくなってしまうという心配がないので、ぜひこし餡を上にして召し上がっていただいた方が安全かと思われます。
甘味・旨味・ほんの少しの苦味、その三位一体の味わいは、王道ともいえる組み合わせ。しかし、なぜこのスタイルはなかったのかと改めて思うのです。
みなさんの街の和菓子屋さんにも、もしかしたらあるようでなかった和菓子が並んでいるかもしれませんね。
ちなみにしげ田さん、駅からは少し歩きますので、もし訪れてみたいと思う方は、JR東京駅始発の都営バス「東15」にご乗車いただき、「鉄砲洲」というところで降りていただけると、ほぼ目と鼻の先にたどり着くことができますよ。
<御菓子司 しげ田>
東京都中央区湊1-10-8
03-3553-4458
平日 9時~18時30分
土曜 9時~16時30分
休日 日曜
※無くなり次第終了