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エンジェルスが遊撃手のイグレシアスを解雇。どうせなら、8月中にそうしてほしかった!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
大谷翔平(左)とホゼ・イグレシアス Jul 28, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 9月3日、ロサンゼルス・エンジェルスは、遊撃手のホゼ・イグレシアスを解雇した。

 イグレシアスがエンジェルスに入団したのは、昨年12月だ。マイナーリーガー2人と交換に、ボルティモア・オリオールズから移籍。今オフにFAとなる予定だった。数日前から、イグレシアスに代わり、遊撃はジャック・メイフィールドが守っている。

 昨シーズン、イグレシアスは出塁率.400を記録したが、今シーズンの出塁率は.295に過ぎない。これは、例年と比べて異常に高かった数値が、通常に戻った格好だ。昨シーズンの出塁率は、スパンの短さが理由の一つだと思われる。出場は39試合に過ぎなかった。また、今シーズンは、売りである守備のスタッツも低迷した。過去5シーズンは6.0以上だったUZR/150が、今シーズンは-8.7。これは、700イニング以上で遊撃を守っている24人中、ワーストに位置する。DRSも-21。他23人のDRSは、悪くても一桁のマイナスだ。

 この成績からすると、ここからどこにも入団できないまま、オフを迎えるかもしれない。しかも、どこかに入団することができて、その球団がポストシーズンへ進んでも、イグレシアスは出場できない。ポストシーズンのロースターに入れるのは、8月31日の時点でその球団に在籍していた選手だ。解雇が数日早く、8月中であれば、わずかとはいえ、今秋のポストシーズンでプレーする可能性が残されていた。今シーズンのエンジェルスで、イグレシアスとともにプレーしていた選手のうち、そうなり得る選手については、「今シーズンのエンジェルスでプレーした選手のうち、ポストシーズンに出場できそうなのは…」で書いた。

 いずれにせよ、イグレシアスにとっては厳しいオフになりそうだ。来シーズンの開幕時点で32歳という年齢もあるが、今オフのFA市場には多くの遊撃手が出揃う。カルロス・コレイア(ヒューストン・アストロズ)、コリー・シーガー(ロサンゼルス・ドジャース)、トレバー・ストーリー(コロラド・ロッキーズ)、ハビア・バイエズ(ニューヨーク・メッツ)に加え、イグレシアスの前にエンジェルスの遊撃手だったアンドレルトン・シモンズ(ミネソタ・ツインズ)や、今シーズンは遊撃ではなく二塁を守っているマーカス・シミエン(トロント・ブルージェイズ)も、FAとなる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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