「自己責任」すぎる日本人留学生へのコロナ対策。政府は早急に対応すべき
奨学金停止、自費帰国、自費隔離、、、
世界中で入国制限措置が取られる中、海外にいる日本人留学生が困難に陥っている。
2020年3月16日、外務省は多くの地域を感染症危険レベル2「不要不急の渡航は止めてください。」に指定。
結果として、日本学生支援機構(JASSO)の規定により、その地域に留学していた学生への奨学金が停止し、自費による現地滞在もしくは自費による帰国を強いられている。
しかも、日本政府は欧州において感染拡大が続いていることを受け、シェンゲン協定加盟国をはじめとする38か国を対象とした、「帰国後14日間の自宅・ホテル待機」、「公共交通機関を利用しないこと」を要請しており、地方出身の学生からは「どうやって帰ればいいのか?」「ホテルで14日間も自費で泊まるお金はない」という声も挙がっている。
「【拡散希望】昨今のCovid-19の流行の影響で多くの地域が外務省の警戒レベル2以上の区域に指定されました。これと連動する形で、指定された地域に留学中の学生に対し、日本学生支援機構JASSOの奨学金支給停止規定が発動することになりました。しかしこれは留学生・日本社会の双方に害をなす悪手です。」
これに対し、文部科学省は19日HPにて、「留学の一時中断措置」を認めることは発表したが、奨学金継続は認めておらず、自費による現地滞在もしくは自費による帰国、14日間の宿泊費負担を強いられる現状は変わっていない。
また、元々所属する日本の大学からも「帰国要請」が出ているが、そもそも、今感染が拡大している欧米諸国から日本に帰国させるのが最善の策なのかも疑問である。
こうした事態に対し、SNS上では疑問の声や留学生への奨学金支援の継続を求める署名運動が立ち上がっている。
「ドイツから帰国後、二週間の自主隔離要請が出ている。ただ日本国内のホテルを13泊とかで予約問い合わせすると断られるという事態が起きているらしい。『要請』を完璧に守ろうとすると野宿になる。現実的には、完璧など無理で『しれっと』予約するしかなく、だが何かあれば責任は私、これおかしくない?」
「現在、本件で色々と調整中なのだけど、
・入国後に到着空港から『公共交通機関』を利用しないと『帰宅』できない場合、14日間ホテルで待機
・ホテルの手配・滞在にかかる費用はすべて自腹
・そもそも『公共交通機関』がどこまでの範囲を指すのかが不明
ということで、学生さんがかなり混乱している。」
「今イギリス留学していた日本人の留学生数人でマンチェスター空港に着き羽田に向かうんですけど、羽田→福岡で国内線で家に帰るはずだった友達が、公共交通機関と国内線を使えないという事で、東京で隔離になる。ホテルをとり、2週間後の東京福岡の航空券を取り直してと航空会社に言われたそう。」
「さらに、いきなり15万ほどの航空券を買い直して帰国し、その後2週間のホテル生活するとなると、何十万円のお金が急に必要になるのか。日本に帰国する留学生を代表していうと、やむを得ず2週間ホテルで隔離生活を送らざるを得ない海外からの帰国者に、せめて国・政府からホテルを無料で提供して欲しい。」
「留学を奨励するだけしておいて、今回のような緊急時には何のフォローもせず、帰国も待機も自己責任というのは、どう考えてもおかしいでしょう。この国はどこまで志ある人びとを愚弄すれば気が済むのか。」
学生への奨学金支援の継続を
change.orgを利用した署名では、「留学先に残る学生への奨学金支援の継続」と「留学先から緊急帰国した学生への奨学金支援の継続」を求めている。
海外でも同様に、帰国者を2週間隔離しているが、滞在施設を国が用意し、移動方法も用意している。
日本の“無茶な”要請では、現実的には「公共交通機関を利用しないこと」を無視して自宅に帰らざるを得ないが(※)、もし仮に新型コロナウイルスに感染していたら批判の矛先が留学生に向くことは目に見えている。
しかし問題なのは日本政府の対応であることは明らかである。先日書いた「現金給付」もそうであるが、あまりに負担軽減措置に対する対応が遅い。
一刻も早く、奨学金の継続もしくは2週間の滞在先を用意すべきだ。
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※「公共交通」に関して指摘があったため追記する(3月23日13時05分)。
3月19日午前時点の情報であり、今後は米国からの入国者も対象になるが、“勝手に”国内線に乗り継ぐことは難しいようだ。