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糸魚川35.1度。10月の日本歴代最高気温

森田正光気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ会長
大正4年の天気図

台風24号は、今日午前9時に温帯低気圧に変わりました。

今回の台風はマリアナ近海で発生し、その後発達しながら沖縄近海を北上し、対馬付近を通過して日本海に入りました。10月でこのコースを通るのは極めて異例で、1951年以降では、おそらく初めてのことです。

台風は高気圧のヘリを回ることが多いので、それだけ今年は上空の太平洋高気圧が強いことを示しています。

台風が日本海に入ったことで、北陸を中心にフェーン現象が起こり、西日本や北陸を中心に気温が非常に高くなっています。

とくに新潟県・糸魚川では、13時53分に35.1度を観測しましたが、これは10月としては、日本歴代最高気温です。

また全国139地点(927地点中)で、最高気温が30度を超える真夏日となり、58地点で10月の高温記録を更新しました。これもおそらく、この時期としては記録的に多いでしょう。

さらに東京でも気温が上がり、最高気温は28.8度を観測しましたが、この気温の高い状態は明日も続きそうです。

ところで10月に高温記録が出るときには、大抵は台風が絡んでいます。東京では、今から98年前に最高気温が連日30度を超えたことがありますが、その時の天気図を見ると、日本海に低気圧が解析されています。

実はこれは台風で、日本付近には南から暖かい風が吹いていたことが分かります。

なお南海上には熱帯低気圧が二つあり、これが台風に発達する可能性も出てきました。コンピュータ解析では、来週にもこの台風が再び日本付近に接近する可能性が示唆されています。

今年の気象は、本当に目が離せません。

(数字は、9日15時現在)

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ会長

1950年名古屋市生まれ。日本気象協会に入り、東海本部、東京本部勤務を経て41歳で独立、フリーのお天気キャスターとなる。1992年、民間気象会社ウェザーマップを設立。テレビやラジオでの気象解説のほか講演活動、執筆などを行っている。天気と社会現象の関わりについて、見聞きしたこと、思うことを述べていきたい。2017年8月『天気のしくみ ―雲のでき方からオーロラの正体まで― 』(共立出版)という本を出版しました。

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