「星」のような煌びやかな輝き。レアル・マドリーと5人の中盤の可能性。
レアル・マドリーが、好調だ。ジネディーヌ・ジダン監督の下、リーガエスパニョーラで単独首位に立っている。
リーガ第22節、マドリーは本拠地サンティアゴ・ベルナベウにアトレティコ・マドリーを迎えた。マドリード・ダービーを1-0で制して、2位バルセロナとの勝ち点3差をキープして順位表のトップに座った。
単独首位に立ったのは、ジダン監督がドブレテ(2冠)を達成した2016-17シーズン以来である。そしてマドリーは、公式戦21試合(リーガ13試合)で無敗を貫いている。
■大幅刷新の可能性
思えば、この夏、大幅刷新の可能性が取り沙汰された。
とりわけ騒がれたのが中盤の補強だ。目玉とされていたのはポール・ポグバ(マンチェスター・ユナイテッド)の獲得である。カゼミーロ(27歳)、トニ・クロース(30歳)、ルカ・モドリッチ(34歳)と主力の高齢化は明らかだった。カゼミーロ、クロース、モドリッチという盤石の中盤に「+α」をもたらす存在が必要だった。ゆえに、ジダン監督はポグバの加入を熱望していた。
エデン・アザールの獲得は、ある種の「銀河系イズム」であった。フロレンティーノ・ペレス会長が、クリスティアーノ・ロナウドの退団後、引き入れようとしたスタープレーヤーがアザールだった。
再構成が強いられた中盤において、予期せぬサプライズとなったのがフェデリコ・バルベルデの台頭だ。ポグバの獲得に失敗したマドリーだが、バルベルデの成長により、カンテラーノを打ち出す方策とペレス会長の若手推進プロジェクトの成功を印象付けることに成功した。
■変わる役割
ジダン監督の指揮下で、中盤の選手たちの役割は変わり始めている。
前線の選手で、唯一気を吐いているのがカリム・ベンゼマだ。ベンゼマはエイバル戦、レアル・ソシエダ戦、エスパニョール戦、バレンシア戦、アトレティコ戦で合計6得点を記録。リーガ21試合に出場して13得点を挙げており、ゴールスコアラーとしてチームを牽引している。
だが第12節ベティス戦から第21節バジャドリー戦まで、ベンゼマを除くマドリーのFW陣から「快音」は聞かれなかった。
すると、当然ながらと言うべきか、「ベンゼマ依存症」が叫ばれ始めた。その間、カゼミーロ、バルベルデ、クロース、モドリッチ、セルヒオ・ラモス、ラファエル・ヴァラン、ダニエル・カルバハルが得点を記録した。中盤の得点力アップが、課題解決の鍵になる可能性を示した。
覚醒するベンゼマ(公式戦17得点)に次いで、モドリッチ(5得点)、クロース(4得点)、カゼミーロ(4得点)、バルベルデ(2得点)と中盤の選手たちが得点力を見せている。
C・ロナウドの抜けた穴を埋めるべく、ミドルゾーンの選手たちが躍動しているのだ。
■5人の中盤
スペイン・スーパーカップで、ジダン監督は中盤に5選手を並べる起用法を試した。
ジダン監督は準決勝のバレンシア戦、決勝のアトレティコ・マドリー戦で4-5-1(4-1-4-1)を敷いた。中盤に配置されたのはカゼミーロ、バルベルデ、モドリッチ、クロース、イスコだ。
「5つの星」とスペイン『マルカ』紙が謳ったように、彼らは眩いばかりの輝きを放った。
バレンシア戦で、マドリーはポゼッション率61%、パス本数798本、枠内シュート数17本を記録している。パス本数に関しては、2019-20シーズンのレコード(796本)を更新した。
勢いを持続して、決勝で再び中盤の5選手を同時起用したマドリーはアトレティコをPK戦の末に撃破。ジダン監督は指揮官として10個目のタイトルを獲得した。
リーガ優勝とチャンピオンズリーグ制覇の二冠を達成した2016-17シーズンを振り返れば、その裏にはEquipo B(エキーポ・べー)、つまりBチームの存在があった。アルバロ・モラタ、ハメス・ロドリゲス、マルコ・アセンシオらの活躍があり、チーム全体が活性化した。
出場機会の少ないナチョ・フェルナンデスが決勝点を挙げ、ベンチに駆け寄りジダン監督と抱擁を交わしたリーガ第21節バジャドリー戦が象徴するように、現在のマドリーは団結している。
「ジダン方式」でシーズン終盤までフィジカルコンディションと集中力を維持して、タイトルと歓喜をマドリディスタに届けるーー。彼らの目標と目的は一致しており、そこに向けて全力で邁進する。