WBAミニマム級挑戦者決定戦
4戦全勝3KOで、WBAミニマム級2位にランクされるプエルトリコの新星、オスカー・コリアゾと、3名の日本人選手と対戦した元WBO、WBA同級王者のビック・サルダールが、WBA最軽量タイトルの挑戦者決定戦で対峙した。
4階級を制したミゲール・コトがプロモートするコリアゾは、25歳のサウスポー。
試合開始ゴングから、アグレッシブに前に出る。序盤に左ストレートをヒットしてペースを掴んだ。元世界チャンプもサウスポーと対戦する際の鉄則通りに右ストレートから入るが、的確さでプエルトリカンに一日の長がある。
6回、ボディーへの左ストレートでサルダールにダメージを与えたコリアゾは、翌7ラウンドに左ボディーアッパーでダウンを奪う。
しかし、起き上がった元王者を仕留めようと接近したコリアゾに、サルダールの右アッパーが火を噴く。
互いにダウンを奪い合った同ラウンド以降は、よりダメージが深いサルダールが失速した。
貯金を生かしたコリアゾが、118-110、116-112、116-112の3-0で勝利を掴み、挑戦権を手にした。
プエルトリコの期待を背負う25歳は、6戦目で世界挑戦が決まるか。サルダールは21勝(11KO)6敗となった。谷口将隆を下して以降、直近の5試合で3敗と衰えは隠せない。
それでも起死回生の右アッパーを放ったところに、元世界王者たる所以を見た。
試合後、勝者は言った。
「タフな試合だった。サルダールは強く、ベテランならではの老獪さを持っていた。自分の能力の全てを駆使したよ。
毎ラウンド、自分を鼓舞してくれたコーナーに感謝する。次はいよいよ世界戦だね。世界チャンプになるよ!」
サルダール戦の判定負けを肥しとした谷口は、現在WBO同級のベルトを巻いている。同門の後輩、重岡銀次朗もWBC同級1位だ。今後、ミニマム級トップファイターたちが、いかにぶつかっていくか、興味津々だ。