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エンジェルスは球団ワースト記録を塗り替える!? 93敗目を喫し、残りは7試合。これまでの最多は95敗

宇根夏樹ベースボール・ライター
ザック・ネト(左)とカイル・タッカー Sep 21, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 9月21日、ロサンゼルス・エンジェルスは、4対10でヒューストン・アストロズに敗れた。155試合を終え、62勝93敗。勝率は、ちょうど.400だ。

 エンジェルスは、1961年に誕生した。これまでに100敗以上のシーズンはなく、1968年と1980年の95敗が最も多い。それぞれ、67勝95敗(勝率.414)と65勝95敗(勝率.406)を記録した。

 今シーズンの残りは、あと7試合だ。5勝2敗でシーズン最多敗に並び、3敗以上だと最多記録を塗り替える。0勝7敗の場合は、100敗に達する。

 ここからの7試合の相手は、9月22日がアストロズ、24日~26日の3試合がシカゴ・ホワイトソックス、27日~29日の3試合はテキサス・レンジャーズだ。

 3チームのうち、ホワイトソックスの勝率は、エンジェルスより低い。というより、勝率.232は、どのチームよりも下だ。すでに1970年の106敗を超え、119敗を喫している。ホワイトソックスも、残りは7試合だ。全敗しても、1899年にクリーブランド・スパイダーズが記録した134敗(20勝)には届かないが、あと1敗すると、1900年以降の最多、1962年に120敗(40勝1分)のニューヨーク・メッツに並ぶ。

 今シーズン、エンジェルスは、ホワイトソックスと3試合を行い、2勝を挙げている。一方、対アストロズは3勝9敗、対レンジャーズは4勝6敗だ。

 また、エンジェルスのシーズン勝率は、1980年の.406(65勝95敗)が最も低い。今シーズン、現時点の勝率.400(62勝93敗)は、それを下回っている。あと7試合で4勝を挙げると勝率.407(66勝96敗)だが、3勝だと勝率.401(65勝97敗)となり、ワースト記録を更新する。

 今シーズンは、マイナスの面ばかりではなかった。例えば、9月21日の試合で、ローガン・オホッピーが20本目のホームランを打ち、「20本塁打カルテット」が誕生した。オホッピー以外の3人は、テイラー・ウォードが25本塁打、ザック・ネトが21本塁打、ジョー・アデルは20本塁打を記録している。

 エンジェルスの広報によると、24歳以下の2人が同じシーズンに20本塁打以上は、エンジェルス史上初だという。ネトが23歳、オホッピーは24歳だ。

 彼らだけでなく、アデルも25歳と若い。ウォードは30歳。今シーズンのホームランは、それまで自己最多だった2022年の23本を上回っていて、FAになるのは2026年のオフだ。

 ただ、来シーズン、マイク・トラウトが長期欠場に見舞われなかったとしても、ローテーションの整備が実現しない限り、2014年以来のポストシーズン進出は難しい気がする。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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