5倍量チャーシューのチャーシューメンがバグった価格の490円〈博多ラーメン1杯290円は福岡最安値〉
福岡県福岡市博多区の堅粕。1号店の「博多ラーメン はかたや 堅粕店」を1976年（昭和51年）に開業して以来、今年で48年となる歴史ある博多ラーメンの老舗店。現在の〈博多ラーメン はかたや〉は、福岡県内に8店舗を擁し、創業店の「はかたや 堅粕店」と福岡市博多区上川端町の「はかたや 川端店」は、年中無休・24時間営業のお店として今もなお「安くて、早くて、美味しくて、いつでも食べられる便利なお店」という昔からのコンセプトを維持し続けている。地元の方々の一部からは「はかラー」という愛称で親しまれている人気のお店だ。
博多ラーメンが大きく店名が小さな看板
この日、訪れたのは福岡市南区那の川にある〈博多ラーメンはかたや百年橋店〉。かなり久しぶりの訪問で、ここ最近は職場近くの「はかたや 警固店」に訪れる機会が多く随分とご無沙汰だった。〈はかたや 百年橋店〉も以前は「24時間営業」だった店舗で、早朝から利用することもあれば、飲み会のシメに深夜に訪れることもあった最も通った使い勝手のいいお店だった。それが、現在は、10時営業開始で23時までの通し営業の店舗となっている。
その影響で以前は「24時間営業」の文字が店先の看板に大きく入っていたが、今は無い。看板の文字は「博多ラーメン」という特徴的なロゴが大きく入り、店名ロゴの〈はかたや〉は申し訳程度に小さく入っている、昔ながらの「はかたやスタイル」。
バグった価格とボリュームのチャーシューメン
この日は10時の開店少し前に到着すると、すでに暖簾と幟が上がっていて入口も解錠。店内に入ると先客がお一人、早くもラーメンを啜っていた。左手奥にある券売機での選択は、通常のラーメンの5倍量のチャーシュー入りの「チャーシューメン」を発券。しかも、きくらげ具が最初からトッピングされていて「はかたや」のラーメンラインナップの中でも最もお得でボリュームのある一杯になっている。
それが今もワンコイン以下をキープする「490円」という驚きの価格。さらに「煮玉子具」のトッピングも発券。麺の硬さは「カタ」で注文し一番手前のテーブル席に着席。その後も朝からラーメンを求めて訪れる後客が続々と券売機前に列をつくる盛況ぶりで席のほとんどがあっという間に埋まった。
さほど待たずに配膳された「チャーシューメン」の「煮玉子」トッピングは、脂感はしっかりとあるもののあっさりとした味わいでややクリアなタイプの豚骨のスープ。地元の人にとってはお馴染みの味なので、安心感と安定感からサラッと美味しくいただける毎日食べても飽きのこない一杯。
お昼の日常食としてももちろんのこと、夜の飲み会後のシメや朝ラーメンとしても秀逸な一杯。そんなベーシックな「博多ラーメン」に入っている通常量のチャーシューは以下の写真くらいの量。
薄切りのチャーシューなので量としては多くはないものの食べやすく美味しいひと品。そのチャーシューが5倍も入っているという「チャーシューメン」。しかもきくら具も最初から入っていて見た目からもボリューム感がある。
ちなみにトッピングの（通常量の）「チャーシューが100円」で「きくらげ具が50円」なので、5倍量で考えると通常の「博多ラーメン290円」に300円や400円をプラスしてもいいくらい。それなのに、なぜかワンコイン以下の「490円」というバグった価格設定になっている「チャーシューメン」。おすすめなので、機会があればぜひお試しください。
シンプルなラーメンにトッピングで楽しむ
低価格で有名な〈はかたや〉の「博多ラーメン」。そのお値段に感謝しながら、いつも何某かのトッピングを追加するように心掛けている。例えば「煮玉子具」や「きくらげ具」「もやし具」「辛子高菜具」のトッピングも、個人的なおすすめで、さらにガッツリと食べたいときには「大盛ラーメン」や「チャーシューメン」をベースとして発券。それでもワンコイン以下の440円と490円と、とてもお財布にもやさしい、お値段以上の両品になっている。
昔も今も変わらない博多ラーメン一杯290円
1976年の開業以来、頑なに守り続けてきた価格は、どんな時代でも気軽に安心して食べられる一杯でありたいという想いから。今や福岡県内では、最もリーズナブルな価格となり、他のお店では追随できないほどの圧倒的な価格設定になっている。そこにはチェーン展開されているという強みはあるけれど、それ以上の企業努力によるものが大きいのではないだろうか。
実際に〈はかたや〉と同じグループ内（昭和食品工業さん傘下）のお店を例に見てみると、低価格博多ラーメン店の別ブランド「博多ラーメン膳」では、そのときどきの時代の流れに応じて、価格を280円→320円→290円→320円と変動している（それでも十分に安い！）。それくらい「はかたやブランド」を大切に〈はかたや〉＝290円というイメージを今後も変えることなく続けていくのだろうと想像している。
