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11年で14回目の金正恩政権の軍事パレード(閲兵式) 年3回は異例!

辺真一ジャーナリスト・コリア・レポート編集長
建国73周年記念軍事パレード(閲兵式)(労働新聞から)

 今日9日は北朝鮮の建国記念日である。金日成(キム・イルソン)主席が1948年9月9日に朝鮮民主主義人民共和国を建国してから今年で75年目となる。

 首都・平壌では75周年という節目の年ということもあって70周年の時と同じように軍事パレード(閲兵式)が行われたが、なんと金正恩(キム・ジョンウン)政権発足(2012年1月発足)以来、数えて14回目の軍事パレードとなる。

 今年に限って言えば、2月8日(軍創建75周年)、7月27日(朝鮮戦争休戦70周年)に続き3度目である。過去に年2度は、2013年(7月27日の朝鮮戦争休戦60周年と9月9日の建国65周年)と2021年(1月14日の労働党第8回大会祝賀記念と9月9日の建国73周年)にあったが、3度は初めてで、極めて異例である。

 建国記念日の閲兵式は2013年9月9日(建国65周年)と2018年9月9日(建国70周年)、2021年9月9日(建国73周年)と過去3度行われているが、建国記念日の場合は陸・海・空の正規軍は動員されず、民間防衛組織の労農赤衛隊など予備役や警察が主体となる。金総書記も出席するものの演説することはない。

 建国65周年では政治局常務委員の一人である党序列4位の朴奉柱(パク・ポンジュ)総理が演説を行い、70周年の時は序列No.2の金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長が行った。また、73周年では序列No.7の李日煥(リ・イルファン)書記(勤労団体部長担当)が代読していた。

 今回は外国の要人としては唯一中国から序列12位の劉国中政治局員(副総理兼全人代常務委員会主任)が出席したが、70周年の時は中国からは序列3位の栗戦書政治局常務委員(全人代委員長)のほか、ロシア連邦議会のワレンチナ・マトヴィエンコ議長、モリタニア共和国のムハンマド・ウルド・アブデルアズィーズ大統領ら外国の要人が多数招待されていた。また、5万人を超える平壌市民が動員され、群集行進も行われていた。

 パレードに登場した兵器といえば、152ミリ砲の自走砲、地対空ミサイル「KN-06」,300ミリ放射砲の「KN-09」など在来式兵器などが主で、大型兵器といえば、地対空ミサイルシステム「KN-06」や300ミリ8連装多連装ロケット砲「KN-09」、地対艦ミサイル「KN-19」程度だった。目を引いた兵器は新型の対戦車ロケットと新型152ミリ自走榴弾砲ぐらいだった。

 また、2年前の73周年の閲兵式は今回同様に午前零時から行われたが、上空に飛来した航空機が照明弾を発射し、夜空を背景にパラシュート兵が降下し、広場に集った参加者らが労働党のシンボルマークや「9・9」「富強」などの人文字をつくり、花火が打ち上げられるなど様々な演出が施されていた。

 しかし、この時も登場した兵器は122ミリ多連装ロケットや対戦ミサイルなど在来式兵器が主で、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)や大陸間弾道ミサイル(ICBM)などの戦略兵器は一切登場しなかった。

 閲兵式は午後5時に朝鮮中央テレビで1時間45分にわたって録画放送されていたが、前例に従えば、今日午後5時には閲兵式の模様が録画中継されることになる。

ジャーナリスト・コリア・レポート編集長

東京生まれ。明治学院大学英文科卒、新聞記者を経て1982年朝鮮問題専門誌「コリア・レポート」創刊。86年 評論家活動。98年ラジオ「アジアニュース」キャスター。03年 沖縄大学客員教授、海上保安庁政策アドバイザー(~15年3月)を歴任。外国人特派員協会、日本ペンクラブ会員。「もしも南北統一したら」(最新著)をはじめ「表裏の朝鮮半島」「韓国人と上手につきあう法」「韓国経済ハンドブック」「北朝鮮100の新常識」「金正恩の北朝鮮と日本」「世界が一目置く日本人」「大統領を殺す国 韓国」「在日の涙」「北朝鮮と日本人」(アントニオ猪木との共著)「真赤な韓国」(武藤正敏元駐韓日本大使との共著)など著書25冊

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