同性愛者も子育て人材として活用を。「東京都里親認定基準」の変更を求めて。
法律婚をしている夫婦のみを「里親にふさわしい人材」として認定基準とすることは、その他の人材を排除し、ひいては、要保護児童が養育家庭等で生活できる機会を狭めるものです。よって、「東京都里親認定基準」の「家庭及び構成員の状況」項目の(5)の撤廃を求めます。
東京都子供・子育て会議で委員席から意見を発言
9/9(火)の「東京都子供・子育て会議」に、全国小規模保育協議会の理事長である駒崎弘樹さんの代わりに出席&発言しました。
東京都福祉保健局:東京都子供・子育て会議第5回計画策定・推進部会を開催します
今回の「東京都子供・子育て会議」では、
・児童虐待防止対策
・社会的養護体制の充実
・ひとり親家庭の自立支援の促進
・障害児施策の充実
について、それぞれ意見を述べました(私は代理として駒崎さんの意見を代読しました)
会議での発言内容については下記にまとめてあります。
9/9(火)東京都子供・子育て会議第5回計画策定・推進部会まとめ
「社会的養護体制の充実」について
その中でも「社会的養護体制の充実」については、「東京都里親認定基準」の「家庭及び構成員の状況」項目の(5)の撤廃を求めました。
「東京都里親認定基準」の「家庭及び構成員の状況」項目の(5)は下記のような記載となっています。
(5) 里親申込者は、配偶者がいない場合には、次の全ての要件を満たしていること。
ア 児童養育の経験があること、又は保健師、看護師、保育士等の資格を有していること。
イ 起居を共にし、主たる養育者の補助者として子供の養育に関わることができる、20歳以上の子又は父母等がいること。
同項目によれば、里親に認定されるためには、配偶者がいる者、すなわち、法律婚をしている夫婦であることが原則であり、そうでない者は、ア記載の資格を持ち、イ記載の同居人がいるという二条件が付加されています。
すなわち、同項目は、認定の段階で、かかる条件を欠く未婚者や同性カップル等法律婚夫婦に該当しない者を排除する項目となっています(昨年10月、東京都福祉保健局より、「同性パートナーの存在はイ記載の条件に該当しない」との回答を得ています)。
しかし、児童養護施設偏重の現状を是正するため、政府が家庭養護の促進という目標を掲げる中、このような旧態依然とした基準は、多様な人材をあらかじめ排除するものであり、現状に即していません。
里親にふさわしい人材か否かは、認定・登録の後の委託の段階で判断されるべきです。法律婚をしている夫婦のみを「里親にふさわしい人材」として認定基準とすることは、その他の人材を排除し、ひいては、要保護児童が養育家庭等で生活できる機会を狭めるものです。よって、「東京都里親認定基準」の「家庭及び構成員の状況」項目の(5)の撤廃を求めます。
LGBTを里親などの人的資源として活用することを提案
RFC(レインボーフォスターケア)はLGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル、トランスジェンダー)を里親などの人的資源として活用することを提案している団体です。今回の「東京都里親認定基準」の「家庭及び構成員の状況」項目の(5)の撤廃についてはRFCからも要望がありました。
RFC(レインボーフォスターケア)の藤めぐみ代表の記事はこちら
LGBTと「社会的養護」――家庭を必要としている子どもたちのために
藤めぐみ / RFC(レインボーフォスターケア)代表
社会的養護とは「家庭において適切な養育を受けることができない児童を、社会が公的な責任の下で養育する仕組み(広義には、養育に大きな困難を抱える家庭への支援を含む)」を指します。平たくいえば、育てる保護者のいない子どもたちを社会でどう育てていくか、ということです。
「一人でも多くの子どもたちに温かい家庭を」という目標の実現のため、社会的養護の中で見過ごされてきたLGBTという人材を生かしていくべきです。
明日の未来を担う子どもたち、若者たちを守れる存在に
今の日本の制度では同性愛者は子どもを持ち育てることはできません。しかし、未来を創っていくのは子どもたちであり、これから生まれてくる命です。
私は「いのち リスペクト。ホワイトリボン・キャンペーン」共同代表として、LGBTなど性的マイノリティの子ども、若者の自殺対策、いじめ対策に関わってきました。明日の未来を担う子どもたち、若者たちを守れるのは私たち大人しかいないと思ったからです。
家庭において適切な養育を受けることができない児童たちもまた明日の未来を担う存在として私たち大人が守り育んでいく必要があるのではないでしょうか。そしてそれは同じ社会で生きている同性愛者とて例外ではありません。ぜひ、同性愛者も里親などの人的資源として活用できる制度へと変えていって欲しいと考えています。
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(参考資料)
東京都里親認定基準は、登録種別毎に定められています。希望する登録種別の認定基準を確認してください。
【平成24年4月1日現在】
項目
登録種別
養育家庭(ほっとファミリー)
里親申込者の基本要件
(1) 心身ともに健全であること。(注釈1)
(2) 児童の養育についての理解及び熱意並びに児童に対する豊かな愛情を有していること。
(3) 児童の養育に関し、虐待等の問題がないと認められること。
(4) 児童福祉法(昭和22年法律第164号)その他関係法令等が適用になること。
(5) 申込者又は同居家族が、次の各号のいずれかに該当していないこと。
ア 成年被後見人又は被保佐人(同居人にあっては除く。)
イ 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者。
ウ 児童福祉法及び児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(平成11年法律第52号)その他国民の福祉に関する法律で政令で定めるものの規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者。
エ 児童虐待の防止等に関する法律第二条に規定する児童虐待又は被措置児童等虐待を行った者その他児童の福祉に関し著しく不適当な行為をした者。
(6) 世帯の収入額が生活保護基準を原則として上回っていること。(注釈2)(注釈3)
(7) 委託児童との養子縁組を目的としないものであること。
家庭及び構成員の状況
(1) 家庭生活が円満に営まれていること。
(2) 里親申込者と起居を共にする者は、児童の受託について十分な理解を有するものであること。
(3) 里親申込者と起居を共にする者のうち、日常生活をする上で主たる養育者となる者が特別に対応しなければならない者がいないこと。
(4) 里親申込者のうち、主たる養育者となる者の年齢は、原則として25歳以上65歳未満(注釈5)であること。(注釈6)(注釈7)
(5) 里親申込者は、配偶者がいない場合には、次の全ての要件を満たしていること。(注釈10)
ア 児童養育の経験があること、又は保健師、看護師、保育士等の資格を有していること。
イ 起居を共にし、主たる養育者の補助者として子供の養育に関わることができる、20歳以上の子又は父母等がいること。(注釈11)
(6) 里親申込者が要保護児童の親族である場合は、親族里親の(4)の要件を満たすこと。
養子縁組里親
里親申込者の基本要件 (1)から(6)まで養育家庭と同じ。
(7) 委託児童との養子縁組を目的とするものであること。
家庭及び構成員の状況 (1)から(3)まで養育家庭と同じ。
(4) 里親申込者は、原則として25歳以上50歳未満であり、婚姻していること。(注釈9)
家庭家屋及び居住地の状況 養育家庭と同じ。
受託動機 養育家庭と同じ。
【注釈1】「心身ともに健全であること」とは、児童の養育に必要な「健全」さであり、障害や疾病を有していても、児童の養育に差し支えがなければ、この要件を満たす。
【注釈2】生活保護基準を下回っても、別紙様式により、経済的に困窮していないことが確認された場合には、この基準を満たすものとして取り扱う。
【注釈3、6、10】要保護児童の親族にあっては除く。
【注釈4】親族に養育を委ねた場合に、その親族が経済的に生活が困窮するなど結果として児童福祉施設への入所措置を余儀なくされる場合に適用する。
【注釈5】短期条件付・レスパイト限定付養育家庭の申込みにあっては、主たる養育者となる者の年齢が65歳以上であっても行うことができる。
【注釈7】里親申込者には、社会通念上事実上の婚姻関係にある者を含む。
【注釈8】里親申込者が充分に児童の養育を行うことができる場合は、20歳以上の子又は父母等と起居を共にし、又はこれらの者が近接地に居住していなくても行うことができる。
【注釈9】平成18年9月30日以前の里親申込者については、従前の基準である「25歳以上65歳未満であり、配偶者がいること」を適用する。
【注釈11】「起居を共にし、主たる養育者の補助者として子供の養育に関わることができる、20歳以上の子又は父母等がいること」の「等」は、原則として親族を示す。ただし、社会通念上事実上の婚姻関係にある同居者については、その同居状態の安定性、継続性を十分に考慮した上で「等」に含めることは差し支えない。