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ミシュランシェフが博多の豚骨ラーメンを独創的に表現〈ポークくりーみー〉が想像のはるか上をゆく美味しさ

RAMEN ANTENNAラーメンアンテナ|福岡のラーメンを愛する地元民の一日一麺

2017年に「Nishimura Takahito la Cuisine Créativité(ニシムラタカヒト)」を開業。フランス料理の精神をもとに「西村流」の料理を追究し続けた結果、2019年ミシュランガイドのフュージョン部門で日本人唯一の一つ星を獲得。そのお店が2020年に同じ場所(福岡市南区平和)で「すべてにこだわった渾身の麺料理を通してより多くのお客様と出会いたい」という、そんなオーナーシェフの想いから、お昼のランチ営業のみの限定で新たに展開したのが「ニシムラ麺」である。

※現在「ニシムラ麺 本店」は、営業時間:11時30分〜14時00分(L.O.13時30分)で営業中(定休日:木曜日・金曜日)

2020年6月頃の「ニシムラ麺」のエントランス。
2020年6月頃の「ニシムラ麺」のエントランス。

ニシムラ麺を進化させた「西村や/ニシムラ麺」

2023年6月、福岡市中央区の再開発事業 “天神ビッグバン”(※)の目玉の一つとして、140年という歴史を誇った大名小学校の一部跡地に完成した、ザ・リッツカールトン福岡も併設されている「福岡大名ガーデンシティ」。その2階の飲食フロアの中に、ミシュランシェフが手掛けた〈西村や/ニシムラ麺〉もオープンした。「Nishimura Takahito La Cuisine Créativité」の新業態として、1日を通して「ニシムラタカヒト」監修のニシムラ麺とお料理が楽しめるお店だ。

※天神ビッグバンとは、2005年に発生した福岡県西方沖地震の教訓から警固断層等のリスクがあるなか、更新期をむかえたビルが耐震性の高い先進的なビルに建て替わることにより、多くの市民や働く人、訪れる人への安全・安心につながるもので、さらに都心部の機能を高め新たな空間や雇用、税収を生み出すプロジェクトのこと。

大名小学校跡地に出現した「福岡大名ガーデンシティ」。
大名小学校跡地に出現した「福岡大名ガーデンシティ」。

福岡市南区平和の「ニシムラ麺」へは、開業当初に何度か訪問してはいるけど、今回の福岡市中央区大名の再開発されたエリアは、福岡県内有数の好立地でもありその中に入っている〈西村や/ニシムラ麺〉は、ラー麺を食べに行くには、ちょっと敷居が高い気がして未訪問だった。この日、ふらっと天神・大名付近を散策しつつ、遅めのお昼は、どこでいただこうかを思案している最中、かつて大名小学校があった場所に差し掛かり、見上げると、高層の「福岡大名ガーデンシティ」が現れ、さらに〈西村や/ニシムラ麺〉のことも思い出して、それではと寄ってみることにした。ちなみに少し先の「天神西通り」側に前進すると「元祖赤のれん節ちゃんラーメン」がある立地だ。

2階フロアは14時過ぎでも賑わっていた

飲食フロアにあたる「2階フロア」の一番奥まで進んで行くと〈西村や/ニシムラ麺〉のサイン表示や暖簾が現れ、中をうかがうとテーブル席に先客多数。広くて大きいカウンター席にはゆったり空席もあり、そちらに着席できた。

メニュー表の中からあらかじめ決めていた、西村流とんこつの「ニシムラ麺 ポークくりーみー」の炊き立てご飯セット1370円を注文した。

ニシムラ麺 ポークくりーみー(西村流とんこつ)

待つことしばし、配膳された「ニシムラ麺 ポークくりーみー(1200円)」は、博多らしい「豚骨」スープとは一線を画す存在感。豚骨をベースに、和風出汁、肉と香味野菜からのブイヨン、数種類のチーズがブレンドされているそうで、和風な印象よりも、コク深い洋風な味わいの一杯に仕上がっていた。

鶏の燻製チャーシューとやわらかな口当たりの豚のチャーシューはどちらも美味しく、カリカリのパンがトッピングされているのはまさに西村流。マイルドでまろやかなスープに青のりのオイルと九条ネギが素晴らしいアクセント。麺は、もち小麦を使用した製麺屋慶史謹製のオリジナル中細麺でモッチリとした食感を楽しみながら至福のスープと一緒にいただく贅沢な味わい。

それと一緒に少し間を置いて登場する「炊き立てのご飯」。ラー麺と一緒にいただくと、至福のひと時を体感できる一品。ご飯はもちろんそのままでも美味しいけど「ニシムラの豚(和風ポークリエット)」を乗せて一緒に味わうと抜群の相性。

炊き立てのまま見せてくれる演出。
炊き立てのまま見せてくれる演出。

また、卓上のパルメザンチーズをご飯にふりかけ、あらかじめ残しておいたラー麺のスープを入れて一緒にいただくと、リゾット風の逸品に仕上がる。

韓国の青唐辛子をベースにした「辛味オイル」は、西村やオリジナルの薬味。ラー麺の味変に最適解で、マイルドでまろやかなスープが辛味によってガラッと変わりさらに楽しめる逸品に。

ニシムラ麺を代表する「ポルチーニ茸」

「ニシムラ麺 ポルチーニ茸(1280円)」は、イタリアのきのこ「ポルチーニ茸」と絶妙なバランスの醤油をベースに、2種類のいりこ、椎茸、昆布、削り方の違う2種類の鰹節。鯖節でとった和出汁に、香り高いライ麦麺を使用した「ニシムラ麺」の開業当初から存在する代表的な一杯。あっさりとしながらも深い旨みを堪能できる逸品。

福岡市中央区の天神・大名エリアへお越しの際は、ミシュランシェフが創造した、博多の豚骨ラー麺の想像の上をゆく「ニシムラ麺 ポークくりーみー」や〈西村や/ニシムラ麺〉の代表的な一杯の「ニシムラ麺 ポルチーニ茸」など、機会があれば、ぜひご堪能ください。

西村や/ニシムラ麺(大名)
住所  :福岡県福岡市中央区大名2丁目6-50
[地図
営業時間:11時00分~15時30分(L.O.15時00分)
    :17時00分~23時00分(L.O.22時00分)
定休日 :不定休
駐車場 :専用駐車場なし、近隣有料駐車場あり

ラーメンアンテナ|福岡のラーメンを愛する地元民の一日一麺

福岡の片隅で日常食としてのラーメンを啜り続け、日々頭の中でグルグルとラーメンが廻っています。一日一麺、週間9麺、毎年450麺ほどを食べています。福岡の地元民が日々食べているラーメンをできるだけ多くの方に知っていただきたいという想いから肩肘張らない感度緩めな『ラーメンアンテナ』をお届けしています。少しでも福岡での麺活の参考になれば幸いです。〈 Horii Koji 〉

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