里親制度について基本的なことを調べてみた。(その2)里親のなりかた
里親さんのもとから進学を目指す子どもたちへのサポート事業に関わらせていただくにあたり、少しでもその制度を調べてみようと思い、こちらを書きました。
要保護児童の受け皿には、。大きくわけると、「乳児院および児童養護施設」「小規模グループケア」「地域小規模児童養護施設(グループホーム)」「小規模住居型児童養護事業(ファミリーホーム)」そして「里親」があり、厚生労働省は「里親」がもっとも”家庭的な養育環境”と位置づけています。
里親になることなんて想像も出来ないかもしれませんが、いつか僕らも何かがきっかけで里親として要保護児童を受け入れることになるかもしれない。また、親族や知人・友人が里親になるかもしれません。そんなとき、なんとなく「お金持ちなんだね」「いいことしているね」で終わらせるのではなく、少しでも里親について知っていることで、いくばくかの協力ができたり、悩みを聞いたりすることができるかもしれません。
里親になることだけが要保護児童サポートに寄与することではなく、「知る」ことから自分なりのかかわりの方法が見えてくるのではないでしょうか。私も、里親制度のことは名称くらいで無知でしたが、制度を調べたり、実際の里親さんの声を見聞きするうちに役に立てそうなことがあるのではないか、と考えるようになりました。
○里親の種類と概要
これはこちらの資料が参考になります。里親にも種類があり、また、里親になることで支給される手当てなどもあります。里親制度には、要保護児童を養育する「養育里親」。虐待を受けたりや非行等の問題を抱える、障がいなど有する児童は「専門里親」が養育します。養子縁組を希望される里親は「養子縁組希望里親」に分類され、その他、要保護児童において親族里親に扶養義務があったり、両親が亡くなる、行方不明になる、拘禁や入院という状態となり、養育ができないときには「親族里親」が養育します。
○養育里親の里親研修と認定の流れ
里親になるにあたっては、「養育里親」と養子縁組を希望する「養子縁組希望里親」に大別されます。ここでは「養育里親」について調べてみたことを付記します。
養育里親になるまでのプロセスは資料の通りですが、そもそも養育里親の制度はどのようなものなのか。そして、養育里親になったときに受け入れる要保護児童どはどのような子どもたちなのかを理解することになります。児童相談所に登録を申請すると、本当に養育里親になれそうかを見るための家庭訪問・調査があり、それを経て各都道府県の「児童福祉審議会里親認定部会」の審議、認定となります。
里親になったからと言って、必ずしも子どもの養護を任されるわけではなく、当然ですが、需要(里親のもとで暮らすべきと判断された子どもの数)と供給(その子どもを受け入れられると判断された里親の数)およみ、双方のマッチングが重要になります。
里親に認定されたとしても5年ごとに更新研修があり、その間に委託されることがなかった里親は研修に加えて施設実習が必要になります。別の機会に取り上げたいのですが、里親と子どもたちのマッチングが難しいケースも増えているようで、おそらくはより高い専門性を求められる「専門里親」が不足しているのではないでしょうか。その専門里親として認定されるには、養育里親委託経験が3年以上あり、専門里親研修を受けた里親しかなれません。認定を受けても2年後との修了認定が必要になります。
それぞれどのような研修カリキュラムがあるのかはこちらを参照ください。
里親になるための基準はどんなものなのかについては、
里親が行う養育に関する最低基準(平成十四年九月五日厚生労働省令第百十六号)はありますが、東京都の「東京都里親認定基準」(これは東京都のもので他府県は異なります)がわかりやすいです。
参考サイト
・厚生労働省「里親制度について」
・厚生労働省「社会的養護の充実」
・厚生労働省「社会的養護の現状について(参考資料)」