2019年のオールスター選手や打点製造機も。日本球界入りも可能なメジャー球団から放出された大物外野手
メジャーリーグの各球団は、来季の契約を済ませていない選手に対して契約する意思表示を12月2日(日本時間3日)までに行わないとならなかったが、メジャー全体で59選手が来季の契約を見送られて、「ノンテンダー」選手として放出された。
メジャーリーグ出場登録年数が6年未満で、40人枠に入っている若手・中堅選手に対して、球団側は期限(今年は12月2日)までに来季も契約する意思があるかを伝えなくてはならない。
契約の意思表示をされた(テンダー)選手は、球団と来季の年俸を話し合い、交渉がまとまらない場合には調停に持ち込む(調停資格を有する選手のみ)。
調停資格のない選手(通常はメジャー経験3年未満の選手)はメジャー最低年俸に近い額になるが、問題は調停資格を持った中堅選手。調停で年俸が高騰するのを避けるために、球団側が放出することがある。これがノンテンダーだ。
通常、フリーエージェント(FA)権を手にできるのはメジャー登録年数が6年以上の選手だが、ノンテンダーされるとノンテンダーFAとなり、次の所属先球団を選手が自由に決められる。
FA選手の場合は年俸が高過ぎて、日本球界が手を出せる選手は限られてくるが、ノンテンダーFA選手は年俸もそれほど高くない選手が多く、日本のチームの予算に合う選手も多い。加えて、FA選手よりも若い選手も多く、獲得する場合の譲渡金(移籍金)も発生しない。
新型コロナウイルスによるシーズン短縮、及び無観客試合で収入が激減したメジャーの各球団は来季の予算を削っており、今オフは意外な大物選手もノンテンダーとなった。特に外野手には4人の注目選手がいる。
果たして、この中に来季は日本球界でプレーする選手はいるのだろうか?
- デビッド・ダール(ロッキーズ、26歳、247万ドル)
今季は24試合で打率.183、OPS.470と低迷したダールだが、昨季は打率.302、OPS.877を記録してオールスターゲームにも選出された実力を誇る。大スランプだった今季を除いたメジャー3年間の通算打率は.297、OPS.867と高いレベルにある。
今季は腰痛と右肩の痛みに苦しんだダールの最大の弱点は、ケガが多いこと。2017年は助骨を折って、マイナーで19試合しかプレーできず、2013年もハムストリングスのケガでマイナーで10試合しかプレーしていない。今季痛めた右肩は9月下旬に手術をしている。故障のリスクは高いが、打撃技術は確かなので、基本給を低く、出来高を高くする契約に合意してもらえるならば、日本のチームは獲得に動くべき選手だ。
- エディ・ロザリオ(ツインズ、29歳、775万ドル)
今季と昨季、2年連続でアメリカン・リーグ6位の打点を叩き出した「打点製造機」。MVP投票でも2年続けて18位以内に入ったメジャーを代表する本物のスラッガー。昨季は32本塁打、109打点を記録している。
とてもアグレッシブな打者で、四球/三振率は通算で0.25、三振数は四球の4倍なので、日本の投手の攻め方に我慢できるかは疑問。
年俸1000万ドル程度で、メジャーの一流スラッガーを獲得できるのは安いか?高いか?
- カイル・シュワバー(カブス、27歳、701万ドル)
2014年の新人ドラフトで、1巡目全体4位でカブスから指名されたシュワバーは、翌15年には早くもメジャーに昇格。17年からはレギュラーに定着して、カブスの中軸を担ってきた。昨季は38本塁打、92打点を放ったパワーは本物で、2018年オールスターのホームラン競争では決勝ラウンドまで勝ち残った。
メジャー通算打率は.230と低く、守備力も低いので、来季の年俸は500万ドル程度まで下がるかもしれない。
- ブライアン・グッドウィン(レッズ、30歳、220万ドル)
上で紹介した3人の大物外野手に比べると、メジャーでの実績も格も大きく劣るが、今季は大谷翔平と秋山翔吾のチームメイトとしてプレーしたグッドウィンは、日本のチームにとって手頃な年俸で獲得できる選手。
メジャー5年間で規定打席に到達したことはないが、エンゼルスでプレーした2019年は136試合で17本塁打を放っている。