ひとり旅で後悔しないコツは3つのアレを「削る」こと。ソロ温泉の達人が実践!
「気楽な旅のつもりがどっと疲れてしまった……」
「これといって旅の思い出が残らなかった……」
「期待していたものと違う……」
ひとり旅でこんな後悔をしたことはないだろうか。
そんな人におすすめしたいのが、筆者が提唱するソロ温泉(=ひとりでの温泉旅)だ。忙しない日常の時間から逃れる、いわば「空白の時間」を愉しむことで、充実した旅となる。
日常から切り離された「空白の時間」を手に入れるには、意識して「削る」べきことが3つある。ひとつずつ見ていこう。
①「スケジュール」を削る
ふつうの旅行は、「足し算」でプランを立てるのが常である。「〇〇に行って、△△でランチを食べて、宿に着く前に絶景スポットの××を散策して……」といった具合だ。滞在先の温泉地や帰路でも、あれこれと予定を入れがちである。
もちろん、その土地ならではの体験を楽しむのも旅の醍醐味である。しかし、予定を詰め込めすぎると、せっかくの温泉旅なのに疲れてしまうし、何より時間に追われる感覚に襲われる。それでは日常と大差ない。
ソロ温泉では、できるかぎりスケジュールを「削る」ことを意識したい。つまり「引き算」の発想をするのが重要である。
ソロ温泉のメインディッシュは、あくまでも温泉である。温泉入浴のほかは「何もしない」ことで空白の時間を得ることができるのだ。
筆者がソロ温泉に出かけるときは、特に観光などすることなく、温泉に直行することが多い。そして、チェックイン開始時刻に合わせて投宿し、すぐに温泉に入る。
温泉以外の予定を削ることで、温泉と向き合う時間を長く確保でき、「空白の時間」を得やすくなる。
「予定していたチェックイン時間を過ぎてしまった!」「夕食まで時間がない。早く温泉に入らなくては!」と時間に追い立てられるようでは、空白の時間を愉しむのは難しいだろう。
②「スマホの時間」を削る
あなたは一日のどのくらいの時間を、スマホに費やしているだろうか?
各種調査によると、7割以上の人が1日2時間以上スマホを開いているといわれている。いくら現代人にとって欠かせない便利なツールとはいえ、これだけの時間をスマホに費やしていることに違和感を覚えないだろうか。
仕事でPCを使用しているなら、デジタル機器を利用している時間はかなり多くなる。その場合、一日のうち3分の1は、スマホかPCの画面を見ているといっても過言ではない。
だからこそ、ソロ温泉では「スマホの時間」を削りたい。だが、ひとりで温泉に出かけると、手持ち無沙汰でついスマホを見てしまう、という人は多いだろう。
せっかく旅先に来ているのに、目の前の美しい風景や貴重な出来事を見過ごしてしまう。これでは、わざわざ遠出する意味が半減してしまう。
手元にスマホがあると、いつものクセで手に取ってしまうので、たとえば「バッグの中にしまっておく」「電源を切っておく」など、簡単にスマホをいじれないようにするといいだろう。
スマホができないと禁断症状が出て、かえってリラックスできないというなら、時間制限を設けてはどうだろうか。スマホにはTwitterなどSNSの使用時間を制限する機能がついているものもある。
たとえば「15分だけ」と決めておけば、ずるずるとスマホをいじることはなくなり、禁断症状もいくぶん和らぐのではないだろうか。
③「過度な期待」を削る
人は旅に対して、過度に期待してしまう傾向があるように感じる。たとえば、宿泊する旅館に対して「結構いい値段だから、料理や接客のレベルも高いだろう」と期待してしまう。もちろん、期待以上の満足感を得られるケースもあるが、逆に「想像していたものとは違う」とがっかりすることも少なくない。
宿にチェックインして、期待していたよりも部屋がしょぼかったとしよう。過度な期待を抱いていると、その時点でいっきにテンションが下がってしまうだろう。せっかくつくった「空白の時間」が後悔の感情で支配されてしまう可能性さえある。
こうした事態を避けるためには、最低限の基準をもつことが大事である。「これだけクリアできれば十分」と事前に決めておく。そうすれば、期待を裏切られてがっかりすることはなくなる。
ソロ温泉の場合でいえば、最低限の基準は「温泉の質」だろう。浴室の雰囲気や源泉の鮮度を含めて、満足のいく湯浴みの時間を過ごせるか。これだけは譲れないところだ。
だから、ソロ温泉を計画を立てるときは、温泉の質にはとことんこだわる一方で、そのほかの部分は「多少のことには目をつむろう」という心構えでいたほうがいい。
実際、その宿が自分に合うかどうかは、一度宿泊してみないとわからない面もある。定宿ができるまでは、あまり過度の期待をかけるのは避けたほうがよいだろう。
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以上のように、ひとり旅に出かけるときは「削る」を意識すると、その旅が充実したものになるはずだ。次回のソロ温泉の機会で、ぜひ実践してみてほしい。