「日本植民地時代の方が生活はマシ」 韓国総選挙候補の“過去発言”物議 過激左翼団体が“ほじくり返す”
4月10日の国会選挙に向け、与野党の対立が取りざたされ始めている韓国。
今回のステークホルダーは、保守系野党「国民の力」から大田西区の候補として出馬しているチョ・スヨン弁護士。そして強烈反日団体として知られる左翼系の「光復会」。
光復会が、チョ候補の過去(2017年8月)のSNS(フェイスブック)での発言をほじくり返したのだ。
「封建的な朝鮮の支配を受ける(李氏朝鮮)よりは、日帝強占期(日本統治下)の方が暮らしやすかったかもしれない」
「亡国の責任は親日派ではなく高宗にある」
「魚になった我々を嘆くべきであって、それを食べた猫(日本)を責めても仕方がない」
事が大きくなったのは、14日に「光復会」がこの発言を問題視し、プレスリリースを流したことから。日本統治下の抗日闘争の遺族会であるこの会。前会長のキム・ウォヌン氏は「親日派墓暴き論」を展開するなど過激な言説でも知られたが、チョ氏の発言については「日本の極右の妄言に近い」と強く批判した。
「国民の代表になろうという者(国選立候補者)が、日帝強占期の我々民族の苦痛を『魚』と卑下し、ニューライトの親日植民史観と植民地支配の正当性主張を超えて日本を代弁し擁護する文は、日本の極右勢力の妄言に近い」
リリースのなかで続けて光復会は趙候補に公開質問状を送り、以下の点を問うた。
「日帝強占期の方が暮らしやすかったかもしれないというニューライトの歴史観を現在も持っているのか」
「李完用(1910年に大韓帝国の首相として日本の植民地支配を承認。韓国では「売国奴」とも言われる)をかばう立場に変わりはないのか」
これに対し、趙弁護士は13日、「物議を醸して本当に申し訳なく思う。深く反省する」と謝罪した。しかし、謝罪文でも「亡国の責任は高宗にある」という主張を曲げておらず、論争は続いている。
趙弁護士は14日、「メディアトゥデイ」とのインタビューで、「亡国の責任は高宗にあり、また李完用など親日派にも当然ある」と述べ、「表現の未熟さについては重ねてお詫びする」と明らかにした。その上で、「親日派をかばう意図は全くなかった」と弁明した。
チョ記者は21年にも1948年に始まった済州島での民衆蜂起「4.3事件」について「金日成勢力の仕業」とSNS上で発言し、炎上した過去を持つ。今回の件については韓国メディアでも「趙弁護士の資質問題が与党のデメリットになる」と見られているが、どう転ぶか。再び「日本を介しての韓国の左右対立」「日本のいない反日」が起きた、というところだ。