ポストシーズンに残るア・リーグの4チームにはNPB経験者が計3人。横浜DeNA、広島東洋、東北楽天
ア・リーグのディビジョン・シリーズが始まり、まずは、ヒューストン・アストロズが6対1でシカゴ・ホワイトソックスを相手に勝利を収め、タンパベイ・レイズは5対0でボストン・レッドソックスを下した。
この4チームのロースターには、計104人が名を連ねる。26人×4チームだ。そのなかに、日本人選手はいない。澤村拓一(レッドソックス)は、ワイルドカード・ゲームに続き、このシリーズのロースターにも入らなかった。
だが、104人のうち3人は、日本プロ野球を経験している。ユリ・グリエル(アストロズ)は2014年に横浜DeNAベイスターズ、ライアン・ブレイジャー(レッドソックス)は2017年に広島東洋カープ(当時の登録名はブレイシア)、JT・シャギワ(レイズ)は2020年に東北楽天ゴールデンイーグルスでプレーした。
グリエルとブレイジャーは、日本を去った後、最初に契約したメジャーリーグの球団に、今も在籍している。2月上旬にシアトル・マリナーズと契約したシャギワは、7月下旬にレイズへ移籍した。シャギワの翌日には、2020年に広島東洋と東北楽天でプレーしたDJ・ジョンソンも、クリーブランド・インディアンズからレイズへ移ったが、そこから3登板したところで右肩を痛め、その後はマイナーリーグでも投げていない。彼らの移籍については、「夏のトレードで動いたNPB経験者は3人。東北楽天で一緒だった2人は、再びチームメイトに」で書いた。
グリエルのポストシーズン出場は、2017年から5年連続。首位打者として臨んだ今年のディビジョン・シリーズ第1戦は、最初の3打席とも三振を喫し、4打数0安打に終わった。ブレイジャーは3年ぶり2度目。2018年は9登板で1点しか取られず、防御率1.04と5ホールドを記録した。今年のワイルドカード・ゲームは、6回表に1死一塁の場面でマウンドを引き継ぎ、最初に対戦したジャンカルロ・スタントン(ニューヨーク・ヤンキース)に打たれ、グリーンモンスターの上部を直撃されたが、野手陣の好返球に救われ、無失点で切り抜けた。シャギワは、今年のディビジョン・シリーズ第1戦がポストシーズン初登板となった。6回表のマウンドに上がり、こちらもいきなりヒットを打たれたものの、外野フライと併殺打でイニングを終わらせた。
なお、ポストシーズンのロースターは、シリーズごとに変更できる。故障者が発生した場合は、シリーズ途中の入れ替えも可能だ。ただ、レッドソックスの投手のうち、誰かが故障しても、代わりに澤村がロースターに入るかどうかは不明。澤村と同じ、右のリリーバーであるマット・バーンズは、ディビジョン・シリーズのロースターに入っていないが、ワイルドカード・ゲームのロースターには入っていた(登板はなし)。この点からすると、故障者に代わる一番手は、澤村ではなくバーンズになりそうだ。