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夏のトレードで動いたNPB経験者は3人。東北楽天で一緒だった2人は、再びチームメイトに

宇根夏樹ベースボール・ライター
DJ・ジョンソン(タンパベイ・レイズ)Aug 2, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 7月15日から30日の間に、50件以上のトレードが成立した。移籍した選手のなかには、日本プロ野球の経験者もいる。見落としがなければ、ジョエリー・ロドリゲスJT・シャギワDJ・ジョンソンのリリーフ投手3人がそうだ。

 2018~19年に中日ドラゴンズで計50ホールドを記録したロドリゲスは、パワー・ヒッターのジョーイ・ギャロとともに、テキサス・レンジャーズからニューヨーク・ヤンキースへ移った。移籍前の31登板は防御率5.93と芳しくなく、ギャロの「おまけ」のような格好とはいえ、ヤンキースは左打者に強い点を買ったようだ。今シーズン、レンジャーズでは、対右の被打率.338と被OPS.865に対し、対左は.176と.488だった。

 2020年に東北楽天ゴールデンイーグルスで31登板のシャギワは、シアトル・マリナーズからタンパベイ・レイズへ移籍した。こちらは、移籍前の31登板で防御率3.00。9ホールドは、マリナーズで2番目に多かった。このトレードの前に、クローザーのケンドール・グレイブマンをヒューストン・アストロズへ放出したマリナーズは、新たなクローザーとしてディエゴ・カスティーヨを獲得し、交換にシャギワとマイナーリーガーの三塁手、オースティン・シェントンを手放した。

 2020年に広島東洋カープと東北楽天で計30登板のジョンソンは、クリーブランド・インディアンズからレイズへ移り、シャギワと再びチームメイトになった。移籍前にメジャーリーグで投げたのは、7月7日の1.2イニングのみ。AAAの21登板で防御率3.32を記録し、レイズでもAAAに送られたが、ジェフリー・スプリングスの故障により、AAAで登板する前に昇格した。8月3日には、3番手としてジョンソン、4番手としてシャギワが投げ、どちらも1イニングを無失点で終えた。昨シーズン、2人は10月31日と11月3日に揃って登板。この2試合も、ジョンソンに続いてシャギワがマウンドに上がった。

 さらに遡ると、ジョンソンとシャギワは、2015年にミネソタ・ツインズ傘下のAAでも、ブルペンメイトとして過ごしたことがある。この時の登板は6試合が重なっていて、登板順はすべて、ジョンソンが先、シャギワが後だった。6試合中5試合は、間に他の投手を挟まなかった。

 8月4日を終え、レイズはア・リーグ東地区の首位、ヤンキースは3位にいる。ヤンキースはワイルドカード・レースで3位に位置し、ポストシーズン進出となるワイルドカードの2位とは、2ゲームしか離れていない。ロドリゲスとシャギワはポストシーズンで登板したことがないが、ジョンソンはコロラド・ロッキーズ時代の2018年に、ディビジョン・シリーズの第1戦で0.2イニングを投げている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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