豪空軍のロイヤルウィングマン無人機が初飛行
3月1日、オーストラリア空軍とボーイング・オーストラリアが開発中のロイヤルウィングマン無人機がウーメラ空軍基地で2月27日に初飛行を行ったと発表されました。ロイヤルウィングマンとは「忠実なる僚機」を意味しており、有人戦闘機の指揮の元に戦闘の支援を行う無人機のことを指します。この計画はATS(Airpower Teaming System、航空戦力チーム編成システム)とも呼称されています。
従来の無線通信による遠隔操作型無人機では、強力な電波妨害による電子攻撃を仕掛けられた場合は操縦不能に陥るので装備のよい正規軍を相手には投入できません。電子攻撃に対抗するには遠隔操作そのものを行わなければよいので、自己判断を行える高度な人工知能を搭載した自律戦闘能力が求められますが、しかし技術的には時期尚早です。
そこで計画されたのが有人戦闘機を支援するロイヤルウィングマン無人機です。完全な自律戦闘はまだ無理ですが、ある程度の自律戦闘が可能な人工知能を搭載した過渡期の無人戦闘機になります。現状では無人機・ドローンの技術は、有人戦闘機に取って代わるようなものまでには成熟できていないのです。
オーストラリア空軍のロイヤルウィングマン無人機は2機目も開発中であり、今年後半には複数機での連携を行う編隊飛行実験を予定しています。
なお試作機は3機製造する予定でしたが新たな契約が結ばれて3機追加が決定、試作機はこれで合計6機を製造することになりました。