日本人観光客に「ノービザ」OKの韓国の「コロナ感染状況」は大丈夫か!
韓国政府は今日(4日)から8月限定でビザなしでの日本人観光客の入国を認める。今月に限定したのは10日から14日まで大規模な観光フェスティバル「ソウルフェスタ2022」(SEOUL FESTA 2022)が開催されるからだ。主催するソウル市は「ソウルを訪れる外国人観光客がソウルを満喫できるよう最善を尽くす」と、日本の他にノービザ対象地域に指定した台湾やマカオからの観光客ラッシュに期待を寄せている。
韓国政府はこれをきっかけに日本にも韓国人観光客に対するノービザの適用を求め、観光産業復興のためコロナウイルス発生前の「ノービザ入国」を再開させたいとの願望を抱いているが、それもこれも「コロナ感染状況」にかかっている。
そこで気になるのは韓国の感染状況だ。ノービザを実施できるぐらい状況が落ち着いているのだろうか?
日本の昨日(3日)の感染者は過去最多の24万9830人と発表されたが、韓国の昨日(3日)の感染者は10万7894人と、3日連続で10万人を突破している。(1日=11万1789人、2日=11万9922人)韓国の人口(約5000万人)は日本(約1億2400万)の半分以下である。
この2か月の推移をみると、6月の一日の感染者は7日の1万3358人が最多だった。また、7月の前半は1万~4万人台で推移していた。ところが、徐々に増え、26日に10万285人を確認した。4月20日(11万1319人)以来の10万人台である。以後、8万人台まで下がったが、ここに来て、再び10万人台に跳ね上がっている。
一方、東京(約1400万人)よりも人口が約467万人も少ないソウルの昨日の感染者は東京(3万8940人)よりも約1万8000人少ない2万239人だったが、ソウルもまた、1日の2万4615人、2日の2万2023人に続いて3日連続で2万人台である。
ソウルもこの2か月間の感染推移をみると、6月の一日の最多感染は7日の2627人だった。しかし、7月は11日、12日、13日及び15日に9000人台に達し、18日に2倍の1万8030人になり、1週間後の25日に2万3069人と、4月18日(2万1815人)以来の2万人台となった。
人口比からすると、韓国の現状は日本と変わらないどころか、むしろ悪化している。実際に感染者の累計をみても韓国は約2016万人と日本(約1339万人)の約1.5倍、ソウルは約405万人と東京(約225万人)の1.8倍である。韓国国民の5人に2人、ソウル市民の4割が「コロナ」に感染している。
韓国中央防疫対策本部の発表(8月2日)では韓国では「ステルスオミクロン」と呼ばれる「BA.2」より感染力の高い「BA.5」(オミクロン株の派生型)が主流になっている。「BA.5」が韓国で初めて確認されたのは5月12日である。韓国防衛当局は8月15日前後に一日の感染者が15万人まで増え、それ以後は下降するものと予測している。
なお、海外からの入国者には48時間以内に受けたPCR検査または24時間以内に受けた迅速抗原検査の陰性証明書提出が義務付けられている。また、入国当日のPCR検査が義務付けられている。空港の新型コロナ検査センターや宿泊先から近い医療機関でPCR検査を受けられるが、到着日に検査ができない場合は翌日でも可能。検査結果が出るまでは自宅または滞在先で待機しなければならない。費用は本人負担となる。
なお、ソウル市内全区(25区)に新型コロナ臨時検査所が設置されている。
文在寅(ムン・ジェイン)政権下では営業時間の短縮や客の人数制限など自営業が負担を強いられたが、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権では個人の責任に委ね、そうした規制を取っ払っている。それでも▲公演施設などでのマスク着用▲会議や行事、塾のオンライン転換▲介護病院や老人ホームでの面会禁止は今も続けている。