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日本最北の都市「稚内市」の素朴な疑問 なぜ「稚」を「ワッカ」と読むの? その地名はどんな意味?

鉄道乗蔵鉄道ライター
日本最北の稚内駅(筆者撮影)

 札幌から日本最北の都市・稚内に向かおうとした場合、札幌駅から1日1本だけ運行される稚内行の特急宗谷号に乗るか、旭川駅まで行きそこから1日2本運行されている特急サロベツ号に乗車するのが一般的なルートである。札幌駅から稚内駅までの所要時間は5時間12分~25分だ。

 筆者は、今年5月、JR北海道がえきねっとで特急列車の6割引キャンペーンを行ったことから、札幌―稚内間を日帰りで往復してきた。札幌―稚内間を往復する場合には、指定席往復割引きっぷ(Rきっぷ)を使用するのがもっとも安価であり、その価格は4月1日~11月30日までの夏料金が13,310円、12月1日から3月31日までの冬料金が14,410円に設定されている。

 今回のえきねっと6割引キャンペーンでは、札幌―稚内間の特急宗谷号は4,420円に設定されていたが、座席数に限りがあったことから往路分は6割引の宗谷号を取ることができず、旭川までの6割引のライラック号2,080円と旭川からの5割引のサロベツ号4,440円を取ることができた。札幌―稚内間往復のトータルの金額は10,940円となり、Rきっぷよりは若干安くなったので良しとすることにした。

 筆者が乗車した特急ライラック15号は12時ちょうどに札幌駅を発車。石狩平野に広がる広大な田園地帯を眺めながら旭川駅には13時25分に到着。その後、向かいのホームに停車していた特急サロベツ1号に乗り換えた。サロベツは6割引席が満席だったことから、前日までの予約が可能な5割引席に乗車したが、乗車率は半分程度で空席が目立っていた。名寄駅を過ぎると車窓には広大な原野が広がり異国情緒が漂い始め、終点の稚内駅には17時25分に到着した。日本最北端の駅・稚内は2012年に建て替えられ道の駅などと一体化した複合施設「キタカラ」となった。

 稚内市は人口およそ3万人を擁する日本最北の都市で、地名の読みは「わっかない」。北海道の地名はアイヌ語に由来したものが多いが、稚内は、アイヌ語の「ヤム・ワッカ・ナイ」に由来しているという。これは「冷たい飲み水の出る小さい川」を意味し、「ヤム」は「冷たい」、「ワッカ」は「飲み水」、「ナイ」は「小さい川」を意味している。この「ヤム・ワッカ・ナイ」は、実際には稚内駅の南側、真言寺の横にある川のことだ。稚内の「稚」という漢字は「わかい」とも読めることから、これを当て字として「稚内」の地名が誕生した。

このとき使用した切符(筆者撮影)
このとき使用した切符(筆者撮影)

(了)

鉄道ライター

鉄道に乗りすぎて頭の中が時刻表になりました。日本の鉄道全路線の乗りつぶしに挑戦中です。学生時代はお金がなかったので青春18きっぷで日本列島縦断修行をしてましたが、社会人になってからは新幹線で日本列島縦断修行ができるようになりました。

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